まだ夏前に発表された夏モデルが市場に出揃っていないキャリアもある中、ほかのキャリアに先駆けてauが秋冬モデル12機種を一挙に発表したなり。前々から、10月24日に始まる番号ポータビリティのタイミングに向けて、高機能かつ魅力的な端末を各キャリアが準備していると言われてきたなりが、番号ポータビリティを「絶好機」と睨むauは怒涛のラインアップを揃え、一気に攻勢をかける構えなりよ。

どのような端末が発表されたかを見ていく前に、まずは番号ポータビリティに向けてインフラを整備するべく、auが開始する8つの新サービスをまとめておくなりね。

◎EZチャンネルプラス
・現行の「EZチャンネル」を拡張した高画質映像の配信サービス。
・最大10分程度の映像番組を深夜から早朝にかけて自動配信。
・月額315円（情報料は無料）
・対応機種はW43H、W43CA、DRAPE、W47T。
・2006年9月開始予定。

「EZチャンネルプラス」はすでにサービスを提供している動画配信サービス「EZチャンネル」を拡張したもの。番組を端末に自動配信する仕組みのため、寝ている間に端末に番組が届くなりね。サービス開始当初は総合音楽番組「LISMO Channel」、ニュースやエンタメ情報を中心にしたバラエティ番組「EZ TODAY'sウォッチプラス」、着うたのランキング番組「着うた♪ランキングプラス」、吉本興業の芸人による漫才やコントなどで構成されるお笑い番組「吉本興業プラス」の4本が配信されるなり。

◎au My Page
・利用料無料の個人ポータル＆大容量ストレージサービス。
・メールや写真を100MBまで保存可能。
・ポータル画面のデザインやメニューのカスタマイズが可能。
・PCポータル「DUOGATE」と連動。
・新サービス「EZチャンネルフラッシュ」と連動し、端末の待受画面上に各種更新情報を配信。
・100MBは1通2KBのメール×1日25通計算で5年分、写真1枚30KB×3000枚分に相当。
・情報料無料。
・フルサービスを利用できる対応機種はW43H、W43CA、DRAPE、W47T。一部サービスの利用ができないものの、従来端末も基本サービスに対応。
・2006年9月中旬開始予定。

「au My Page」はauが展開するPCポータルサイト「DUOGATE」と連動する個人ポータル＆大容量ストレージサービス。データのバックアップだけでなく、ブログやアルバム機能を備えており、携帯電話からだけでなく、パソコンからも閲覧や編集ができるなりよ。新機種だけのサービスではなく、対応アプリをダウンロードすれば旧機種でも利用できるのが嬉しいなりね。

◎EZニュースフラッシュ
・端末の待受画面に最新ニュースや天気情報を配信。
・NTTドコモの「iチャネル」と同種のサービス。
・配信される情報は主要ニュース、芸能ニュース、スポーツニュース、天気、12星座占いなど。
・料金は情報料、通信料ともに無料。
・対応機種はW43H、W43CA、DRAPE、W47T。
・2006年9月開始予定。

「EZニュースフラッシュ」はNTTドコモのヒットサービス「iチャネル」と同様の、待受画面にニュースが流れるプッシュ型情報配信サービス。配信される内容は「iチャネル」とほぼ同じなりが、NTTドコモが月額150円なのに対し、auは無料サービスとして提供するのが素敵なり。

◎EZケータイアレンジ
・端末の待受、メニュー、着信音などを一括でカスタマイズできるサービス。
・これまで変更不可だった「電池残量」「電波状態アイコン」なども変更可能。
・サービス開始時には「くまのプーさん」「リラックマ」「ハローキティ」「ガンダム」「PINGU」などをラインアップ。
・対応機種はW41SH、W43SA。
・対応機種の発売日と同時にサービス開始予定。

「EZケータイアレンジ」は端末のソフトウェア部分のカスタマイズを強力にしたサービス。これまでも「テーマ」として待受画面やメニューアイコンを変更する機能はあったなりが、「EZケータイアレンジ」は「電池残量」「電波状態アイコン」などの細かい部分も同じテーマに変更してくれるスグレモノなりよ。キャラクターの世界観にどっぷり浸りたい人には嬉しいサービスなり。

◎アドレス帳預けて安心サービス
・端末のアドレス帳画面のサブメニューから簡単にサーバにデータを保存。
・保存、復元が双方向で可能。
・更新されたデータ差分のみ通信。
・PCポータル「DUOGATE」からアドレス帳データを確認・編集が可能。
・情報料無料（※要利用登録）。
・対応機種はW43H、W43CA、DRAPE、W47T。メニュー画面からの操作はできないものの、ほかのEZアプリ対応機種ならデータの保存・復元が可能。
・2006年9月中旬開始予定。

「アドレス帳預けて安心サービス」は端末のメニュー画面からアドレス帳のサーバへのバックアップを取ることができるサービスなり。対応端末は少ないなりが、今後順次対応端末を拡大していく予定なので、将来的には標準サービスとして利用できるようになりそうなりね。ちなみにNTTドコモは「電話帳お預かりサービス」としてすでにサービスを提供しているなりが、こちらは月額105円の有料サービスなり。

◎デコレーションメール
・メールの背景色や文字色などを装飾できるHTMLメールサービス。
・デコレーションできるのは文字色、文字サイズ、文字点滅、画像挿入、テロップ、スウィング、文字位置、背景色、ライン挿入など。
・利用料は無料。
・対応機種は送信対応がW43H、W43CA、W43SADRAPE、W47T。受信対応がW43H、W43CA、W43SADRAPE、W47T、他社のHTMLメール対応機。
・対応機種の発売日と同時にサービス開始予定。

「デコレーションメール」はメールをグラフィカルに装飾できるHTMLメールサービス。これもNTTドコモが提供して人気を博している「デコメール」の後追いなりが、NTTドコモから顧客を奪いたいauがどうしても番号ポータビリティの始まる前に導入したかったサービスと言えそうなりね。他社のHTMLメール対応機にも送信可能ということなので、NTTドコモの「デコメール」対応機などともやり取りができるなりよ。

◎テレビ電話サービス
・高速通信「EV-DO Rev.A」を利用した新サービス（EV-DO方式エリア内でのみ通話可能）。
・NTTドコモ、ボーダフォンのテレビ電話との通話も可能。
・auの対応機種同士で最大5人まで動画付きの音声通話、およびテキストメッセージの送受信が可能（グループテレビ電話）。
・テレビ電話通話料は音声通話料の1.8倍（無料通話料も適用される）。
・基本料は無料。
・対応機種はDRAPE、W47T。
・2006年12月開始予定。

「テレビ電話サービス」もほかのキャリアに遅れて始まるサービス。対応機種は2機種のみと寂しいなりが、他社のテレビ電話とも通話ができるので、サービス開始当初から意外と便利に使えるかもしれないなりね。通話料金は後発のわりにそれほど安くはないなりが、KDDIの説明によると「ほかのキャリアとの差別化サービスとはとらえていない」ようなので、それほど重要なサービスという位置づけではないなりよ。今後、どれくらいの端末に搭載されるのか、将来的に標準機能にする予定があるのかなどは、すべて未定なり。

◎絵しゃべりメール
・写真やキャラクターイラストなどの静止画像に音声を合成、音声に合わせて唇や目の瞬きなどの動作をするムービーを作成するサービス。
・作成したムービーをメールで送信できるほか、着ムービーとしても利用可能。
・情報料は月額105円。
・対応機種は作成・送信対応がW43SA、W47T、DRAPE。受信対応はEZムービーが利用できるauの端末、ほかのキャリアの第3世代ケータイ。
・対応機種の発売日と同時にサービス開始予定。

「絵しゃべりメール」は少し変わったメールサービス。写真やキャラクターが音声に合わせて動くという、ちょっと面白いサービスなり。

全体的に、今回発表された8種類のサービスの登場によって、「ほかのキャリアにあってauにはない」サービスがずいぶん穴埋めされた印象。番号ポータビリティという土俵に上るにあたり、強みを伸ばすことと同じくらい、弱点をなくすことを大事にしてきたauの姿勢がうかがえるなり。秋から冬にかけて、auのサービスが俄然面白くなりそうなりね。

（つづく）