ブリトニー・スピアーズ妊婦ヌード広告、東京メトロ“降伏”で原案通りに。

2006/08/26 21:42 Written by コジマ

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ポップ・アイコンとして世界中のティーンに大きな影響力を持つ米歌手のブリトニー・スピアーズ。そんな彼女の妊婦ヌードが表紙を飾るファッション誌「ハーパース・バザー日本版」10月号の広告を巡って、「刺激が強い」という東京メトロと出版元のエイチビー・ジャパンが対立。いったんは“お詫び”を書き込んだ黒塗りのシールで下腹部周辺を隠すことで決着したのだけれど、「妊娠している姿がわいせつなのか」という批判が多く寄せられた結果、原案のまま広告を掲示することが決定したのだ。

「世界でもっとも恵まれたヒモ」「ニートの希望の星」と揶揄されるケヴィン・フェダーラインとの結婚以降、株を下げまくっているブリトニーが起死回生とばかりに放ったのが、米ファッション誌ハーパース・バザー掲載の妊婦ヌードなのだ。長男出産前後からマスコミに露出する度に、崩れた体型に雑なメーク、芸能人とは思えない服装でイメージダウンが加速していただけに、この妊婦ヌードは米国で相当話題になったようなのだ。同誌の日本版でも10月号に登場し、このセンセーショナルな表紙を東京メトロ・表参道駅構内全面に大きく掲示する予定だった。

しかし、東京メトロは「表参道駅は1日約13万人が利用する公共の場。原案のまま裸体では、芸術写真とはいえ刺激が強いと感じる人がいる。青少年保護の面でも問題がある」と掲示に難色を示したのだ。これに同誌が、「表紙と同じでなければ宣伝にならない。話題性があるし、既に広告は完成しており、別の図柄に変更できない」と猛反発。話し合いの結果、「ひじ下から下腹部までを隠せば可能」ということになり、黒塗りのシールを貼って掲示することにいったんは決着したのだ。

ところが、このシールには「美しい未来の母の姿を一部隠していることをお詫びします。この場所では、同じ表現をすることができないため、このような処理をいたしました」など、皮肉たっぷりの“お詫び”が書かれ、この対立をマスコミがいっせいに報じた際には、同誌の東野香代子副編集長の「母になる喜びを表す写真のおなかを問題視するなんて……。わいせつとの区別がつかないのは残念」というコメントも紹介されていたため、東京メトロお客様センターには「妊娠している姿がわいせつなのか」という批判が40件以上寄せられたのだ。

こうしたことから東京メトロは、一転して原案のまま掲示することを決定した。理由は、「クライアントのメッセージを歪曲して捉えられかねない」「あらためて多角的に審査した結果、あまり刺激性を感じないと判断した」というもの。うーん、完全に一部の批判に屈したことを隠せないのだ。同社は「掲載前にこういった事態になるとは想像していなかった」ともコメントしている。

原案のまま掲示されることについて、東野副編集長は「主張が通ってうれしい。マスコミで取り上げてもらったため、再審査となった。そういう意味ではマスコミに感謝している」と喜びを隠せないようすなのだ。主張が通っただけでなく雑誌の宣伝になったのだから、同誌にとっては願ってもない状態だろう。このニュースは、米国でも大きく取り上げられているのだそう。

ブリトニー・スピアーズの妊婦ヌードは、米国版の写真がABC振興会で閲覧できるのだ。でも、デミ・ムーア(米バニティフェア誌91年8月号)のときもそうだったけど、「わいせつ」かどうか以前になぜ妊婦がヌードになることが求められるのかがよく分からないのだ。特に芸術的だとも思えないのは、ぼくの感覚が鈍いからなのかなあ。原案通りに掲示されることになった広告は、28日から9月3日まで東京メトロ表参道駅に登場する。

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