猫を助けてくれなかった、と消防士に発砲する。

2006/08/25 11:00 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカの一昔前のホーム・ドラマなどではよく、猫が木に登って降りられなくなると消防車がやってきてが救出してくれるという場面が登場します。「古き良き時代」を象徴するかのようなシーンですが、これって実際に今でも出来るのかなぁ? とウォール真木がダンナに聞いてみたところ「無理」とのこと。なんだ、つまらん。なんでも動物を救出するのは「アニマル・コントロール」だの、「アニマル・レスキュー」だのと呼ばれる野生動物保護、衛生管理局の仕事なんだそうです。そういえば、以前ウォール家の庭に迷い込仔ジカを見つけた時も、ここに電話したっけなぁ。

それでもテレビの影響なのでしょう、猫が高いところに登って下りられなくなった時には消防士に助けを求めれば良い、と信じている人は多いようです。アリゾナ州のジェフリー・コレン氏も、自分の飼い猫が木に登ったまま立ち往生しているのを発見した時、まず思い付いたのが911に電話すること。しかし本当に出動してくれるかどうか不安になった彼は、思わず電話で嘘をしてしまいます(虚偽の通報はもちろん違法です)。

「庭の木が燃えているんです!」

この通報に3人の消防士がコレン氏の家までサイレンを鳴らしながらやってきました。しかし火事はどこにも見当たらず、猫が不安そうに木の上でうずくまっているだけ。消防士のチーフはコレン氏にアニマル・コントロールに電話するか猫が空腹になって自分で降りてくるまで待つように伝え、帰ろうとしました。

ところがこれに怒ったのがコレン氏。何でわざわざここまで来たのになにもしてくれないんだ! と逆ギレし、家に飛び込むとピストルを持ち出して消防士に向かって発砲しだしました。その場には野次馬見物で様子を見に来た近所に住む少年もいたそうなんですが、彼もそれにはビックリして、消防隊員と共に必死で逃げたそうです。

幸いけが人も死者も出なかったそうなんですが、コレン氏はその後通報を受けた警察官に取り押さえられて逮捕。消防隊が公共のサービスとはいえ、自分の思い通りにならなかったからって、発砲するとは……。とほほ。

それでもアメリカでは消防車は日本に比べるととっても身近な存在。学校や幼稚園にしょっちゅうやって来ては見学させてくれるし、お祭りや誕生日パーティにもアトラクションとして登場することもしばしば。プラスチックのヘルメットやバッジ型のシールを子どもにプレゼントしてくれます。あと非番の消防士さんは平気で消防車を運転し、レストランに食事に行ったりスーパーで買い物しにいったりしています。何度か近所でも見かけたことがあるのですが、巨大な消防車がスーパーの駐車場で通常の乗用車の4〜5台分のスペースを占領して止めてあり、買い物袋を下げた消防士さんがいそいそと乗り込もうとしていました。

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