「ロード・トゥ・パーディション」（サム・メンデス監督）、「ミュンヘン」（スティーブン・スピルバーグ監督）と着実にキャリアを築き上げ、遂に6代目ジェームス・ボンドに選ばれた英国人俳優、ダニエル・クレイグ。世界の注目を集めている彼が、米誌エスクワイア最新9月号の特集「2006年世界で最もオシャレな男性（The Best Dressed Men In The World 2006）」で1位に選ばれたのだ。同特集ではベスト部門以外にも多くの表彰をしており、ワースト部門ではガンズ・アンド・ローゼズのフロントマン、アクセル・ローズらを抑えて、まだ0歳のブリトニー・スピアーズの息子、ショーン・プレストン・フェダーライン君が1位に選ばれている。

この“ベストドレッサー”は、今年初めにお伝えしたミスター・ブラックウェルが選考するものとは違い、エスクワイア誌が独自に行っている。昨年のランキングトップ10を見てみると、

1.　ファレル・ウィリアムス（ミュージシャン）
2.　ジェイク・ギレンホール（俳優）
3.　カニエ・ウェスト（ミュージシャン）
4.　ジュード・ロウ（俳優）
5.　アンドレ3000（アウトキャスト、ミュージシャン）
6.　ジョージ・クルーニー（俳優）
7.　マット・ロウアー（ニュースキャスター）
8.　ジョシュ・ルーカス（俳優）
9.　アレックス・カプラノス（フランツ・フェルディナンド、ミュージシャン）
10.　ジェイ-Z（ミュージシャン）

と、うまい具合に俳優とミュージシャンがほぼ交互に選ばれているのだ。そして、今年のトップ10は以下の通り。

1.　ダニエル・クレイグ（俳優）
2.　ジョン・レジェンド（ミュージシャン）
3.　テレンス・ハワード（俳優）
4.　ジェイク・ギレンホール（俳優）※昨年2位
5.　ニック・ケイヴ（ミュージシャン）
6.　コモン（ミュージシャン）
7.　クライヴ・オーウェン（俳優）
8.　ファレル・ウィリアムス（ミュージシャン）※昨年1位
9.　ヨアン・グリフィズ（俳優）
10.　ブライアン・ウィリアムス（ニュースキャスター）

先日、「007／カジノ・ロワイヤル」を撮影したスタジオで火災が発生し、あわや「火事のロワイヤル」となりそうだったのだけれど、撮影は終了していたため予定通り今秋に公開される。しかし、ダニエル・クレイグのボンド役就任には批判が集まっているようなのだ。まあ、歴史ある大役、誰が演じても批判されるわけで……。

こうした暗い話題があるなか、ダニエル・クレイグにとってこのベストドレッサーはうれしいニュースだったのではないだろうか。エスクワイア誌は「彼がジェームス・ボンドでなかったら、たぶんベストドレッサーに選ばなかっただろう」としながらも、「映画史上最もオシャレな主人公を演じることはとんでもない出世であり、結果的に彼の地位を高めた」と評しているのだ。ボンド役が彼のオシャレ度を高めたと言いたいのかな。でも、MTVの記事の載っている写真を見る限り、ベストドレッサーとは言い難い気がするのだ。

トップ10以降は、11位にジェイ-Z（昨年10位）、12位に俳優のパトリック・デンプシー、13位に今年のNBAファイナルMVPに選ばれたドウェイン・ウェイド選手（マイアミ・ヒート）、15位にアンドレ3000（昨年5位）、17位にジャック・ホワイトとともにザ・ラカンターズを結成したブレンダン・ベンソン、19位にNBAのトニー・パーカー選手（サンアントニオ・スパーズ）などが選ばれている。

このほか、「最もオシャレな被告（Best Dressed Defendant）」としてサダム・フセイン元イラク大統領を挙げ、「生涯功労賞（Lifetime Achievement Award）」にはジュリアロバーツの元夫であるミュージシャン、ライル・ラベットが選ばれている。

そして、「最もダサい服を着た男性（The Worst Dressed Men In The World）」では、アクセル・ローズやジェニファー・ロペスの夫であるラテン・ミュージシャンのマーク・アンソニーを抑えて、ブリトニー・スピアーズの長男、ショーン・プレストン君が1位に選ばれた。エスクワイア誌は「子種が豊富なバックダンサーと未熟なうちに散ってしまった花の間に生まれたからって、それは言い訳にはならないよ、キミ。もう12カ月だろう。少し知恵が働くようになったなら、身なりをきちんとしなさい」としている。たった11カ月の子供に対してこの言いよう。うーん、厳しいのだ。