昭和天皇を描いた映画「太陽」がヒット、上映館35か所を追加へ。

2006/08/15 12:41 Written by コ○助

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「昭和天皇」という、日本ではタブーに近い題材を扱った作品として、製作が発表された段から映画ファンの注目を集めてきた「太陽」。ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督が、ヒトラーやレーニンを描いてきた3部作「20世紀の権力者」のひとつとして製作した作品なりが、題材が題材だけに、映画ファンの間には当初から「日本での公開はムリなのではないか」という雰囲気が漂っていたなりよね。

また、「太陽」が今年2月に開催された第55回ベルリン国際映画祭のコンペ部門に出品された際に、スポーツ報知のインタビューに答えたイッセー尾形が「言いたかったのは、とにかく見てほしい、ということ。見ていただかないことには、映画の意図することは何も伝わらない」「日本公開は難しそうですが、正直、理解できません。今後、海外の映画館や映画祭では上映されるので、日本の方も見てほしいです」と語ったことで、当事者も日本公開の可能性が低いことを認識していることが判明。日本公開ができない理由からすると、当然DVD化なども難しく、日本を舞台に、日本人の役者が出ている作品にも関わらず、日本人が目にすることが出来ないという、何やら悲しい状況になりつつあったなりよ。

でも、6月にロシアで開催された第13回サンクトペテルブルク国際映画祭でグランプリを獲得したことで、風向きが一変。国際的な作品への評価お高まりと、少しずつ、少しずつではあるなりが、ネットから上がった公開を求める声によって、「太陽」を取り巻く環境に変化が起き始めたなりよ。そして、作品の買い付けに消極的だった大手を尻目に、業界的にはそれほど大きな会社ではないスローラーナーが買い付けを決定。東京・銀座の「銀座シネパトス」を皮切りに、大阪と名古屋で順次公開することが発表されたなりね。このスローラーナーの英断に拍手が送られたのは言うまでもないなり。

公開までの経緯がたびたび報道されたこともあり、「太陽」は公開された直後から多くの映画ファンが殺到。「銀座シネパトス」では1日に7回の上映が組まれているなりが、初日はすべての回で上映2時間前には立ち見になるほどの盛況で、「銀座シネパトス」の初日動員記録と興行収入記録を塗り替えてしまったほどなのだとか。かつて公開が危ぶまれ、日本では観ることができないのではないかという不安いっぱいの状況のときには、決して考えられなかったような成功を収めているなりよ。

単館の映画でも、ヒットすれば全国へと広がりを見せていく。それはこれまでも単館のヒット作が前例を作ってきたなりが、「太陽」もついに大幅な拡大上映が決定したようで、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地の35か所を追加して上映されることになったなりね。作品を観て、どう感じるかは人それぞれだと思うなりが、まずは観る環境が整い始めたのは喜ばしいこと。この勢いに乗って、さらなる上映館の拡大に期待したいものなり。コ○助も早く観にいかなければ……。

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