増加する過敏性腸症候群、服装や生活習慣改善などの対策を。

2006/07/14 19:37 Written by コジマ

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職場や学校、電車などで突然襲ってくる腹痛。トイレに行きにくい状況での腹痛は、かなり厳しいのだ。特に夏は薄着のところへ冷房が効きすぎていたりするため、腹痛を起こしやすい季節でもある。こうした腹痛を起こしやすい「過敏性腸症候群」の人が、近年増えているそうなのだ。ストレスが原因とされてため、働く人たちにとって病因を完全に取り去ることは難しいのだけれど、冷えない服装や生活習慣の改善を心がけることで改善は可能だという。

過敏性腸症候群は、精神的ストレスなどの刺激に対して腸が過敏な状態になり、便通異常を来す病気。下痢や便秘を繰り返すのに検査をしても胃腸に病気が見つからないのが特徴で、便通異常のほか、頭痛や吐き気、食欲不振、腹部膨満感、おならが出やすいといった症状が出る人もいるのだとか。性格的にはまじめな人や内向的な人、情緒不安定な人がかかりやすく、若い女性や30〜40代の患者も多いのだ。

原因は、ストレスなど刺激により自律神経のバランスが崩れること。仕事上の悩みや人間関係などのストレスを抱える人ほど、この病気にかかりやすい。この病気で困るのが、急な腹痛に襲われること。すぐにトイレに行ける状態ならよいけれど、会議や商談中、乗り物に乗っての移動中などの状況だと本当に困るのだ。「トイレに行けない」という不安がストレスとなり、腹痛を引き起こすケースも多いそうなのだ。休日などストレスがかかりにくい日には症状が起こりにくいことも、特徴に挙げられる。

読売新聞の記事では、女性の声として「通勤に使う区間のすべての駅で、一度はトイレを使った経験があります」、「20〜30分に一度はトイレに駆け込むこともあり、電話を取ることもできず、周囲に迷惑をかけた。仕事の忙しさからくる疲れやストレスがおなかに来た、という感じでした」というものを紹介している。ぼくの周りでも、特に女性でこの病気と思われる人が結構いて、みんな「ぶらり途中下車の旅」を余儀なくされている。会社に遅れたり、長時間クルマに乗ってられなかったりと、かなりのデメリットを感じているようなのだ。

一番の治療法はストレスを減らすことなのだけれど、仕事をしているとストレスはたまる一方。読売新聞で紹介しているように、冷房負けしないよう服装に気をつけるなど少しでも腹痛の原因を取り除くことで多少は改善できるだろう。また、生活習慣、特に食事に気をつけることでも症状の出現を減らすことができるという。具体的に挙げてみると、(1)暴飲暴食を避け、腹八分を習慣にする、(2)ビタミン類や食物繊維の不足しなよう、外食やインスタント食品、ファストフードなどはなるべく避ける、(3)水分を十分に取る、(4)大勢で楽しく食事をする、(5)塩分を控える―など。規則正しい生活と十分な睡眠、適度な運動も大切で、これは肥満など他の病気の予防にも役立つのだ。この2つで7〜8割が治るという。

こうした努力をしても改善しない人は、やはり病院で治療してもらったほうがよいようなのだ。病院では、整腸剤や精神安定剤などを処方してくれるほか、ストレスや緊張を和らげる方法などを指導してくれる。また、過敏性腸症候群と乳糖不耐症や大腸がん、潰瘍性大腸炎などはよく似ているので、こうした別の病気との混同を避けるためにも、症状を自覚したらとりあえず病院に行ったほうがよいかもしれない。

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