英アンカット誌、「最高のデビュー・アルバム100枚」を発表。

2006/07/11 21:11 Written by コジマ

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どんなに偉大なバンドでも、必ずあるのがデビュー作。1作だけで終わったバンドもいれば、その後に数々の名作を生み出したバンドもいるのだけれど、どんなバンドでもデビュー作を超える爆発的な力は取り戻せないとまでいわれる。また、ローリング・ストーンズやU2のように、デビュー作が今のイメージと音楽の方向性が異なるバンドもいるのだ。英カルチャー誌のアンカットが最新8月号で、「最高のデビュー・アルバム100枚(100 GREATEST DEBUT ALBUMS)」を発表した。エルヴィス・プレスリーからエミネムまで、ビートルズからアークティック・モンキーズまでのなかで「最高のデビュー・アルバム」に選ばれたのは果たして?

1位に輝いたのは、1967年にリリースされたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』。本作のプロデューサーでもあるアンディ・ウォーホールが手がけたバナナのジャケットで有名なこのアルバム(“バナナ・アルバム”とも呼ばれている)は、セールス的には成功しなかったものの、ルー・リードによる当時としては革新的な音楽で業界を騒然とさせたのだ。現在でもストロークスをはじめ多くのミュージシャンに影響を及ぼしている。トップ10は以下の通り。

1. ヴェルヴェット・アンダーグラウンド『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』(67年)
2. テレヴィジョン『マーキー・ムーン』(77年)
3. ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『アー・ユー・エクスペリエンスト』(67年)
4. ストーン・ローゼズ『ストーン・ローゼズ』(89年)
5. ザ・バンド『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(68年)
6. クラッシュ『白い暴動』(77年)
7. レッド・ツェッペリン『レッド・ツェッペリン』(69年)
8. ジョイ・ディヴィジョン『アンノウン・プレジャーズ』(79年)
9. ロキシー・ミュージック『ロキシー・ミュージック』(72年)
10. イギー・ポップ&ザ・ストゥージズ『イギー・ポップ&ストゥージズ』(69年)

ベスト10は、ジミヘンやザ・バンド、ツェッペリン、ストゥージズ、ロキシー・ミュージックなど、ヴェルヴェッツと同世代のバンドが多い。テレヴィジョンやクラッシュといったパンク世代、ジョイ・ディヴィジョンやストーン・ローゼズといったマッドチェスター世代(ジョイ・ディヴィジョンはニュー・ウェイブだけど)と、アンカットの読者層をうかがわせる結果となっている。こうしたランキングで常連のビートルズやザ・フー、ザ・スミス、オアシスなどはトップ10に入れなかったようなのだ。続いて11〜20位は、

11. ザ・フー『マイ・ジェネレーション』(65年)
12. ラモーンズ『ラモーンズの激情』(76年)
13. ザ・バーズ『ミスター・タンブリン・マン』(65年)
14. ピンク・フロイド『夜明けの口笛吹き』(67年)
15. ローリング・ストーンズ『ザ・ローリング・ストーンズ』(64年)
16. ニューヨーク・ドールズ『ニューヨーク・ドールズ』(73年)
17. ビートルズ『プリーズ・プリーズ・ミー』(63年)
18. パティ・スミス『ホーセス』(75年)
19. セックス・ピストルズ『勝手にしやがれ!!』(77年)
20. スペシャルズ『スペシャルズ』(79年)

ここに来てようやっとザ・フー、ストーンズ、ビートルズが出てくるのだけど、相変わらずキンクスは人気がないのだ。結局100位のなかにも入っていなかった。「最高の楽曲」などのランキングでは「ウォータールー・サンセット」が常連なのに……。面白かったのが2トーンというジャンルを切り開いたスペシャルズ。大好きだけど、ザ・スミスやオアシスをしのぐほど評価が高いとは驚きなのだ。同じ理由で、ラモーンズとニューヨーク・ドールズの人気にもびっくり。

これ以降では、21位にザ・スミス、22位にR.E.M.(『マーマー』)、28位にドアーズ(『ハートに火を付けて』)、30位にオアシス、31位にエルヴィス・コステロ(『マイ・エイム・イズ・トゥルー』)、39位にブルース・スプリングスティーン(『アズベリー・パークからの挨拶』)、41位にパブリック・エナミー(『YO! BUMラッシュ・ザ・ショウ』)、53位にデ・ラ・ソウル(『3フィート・ハイ・アンド・ライジング』)、56位にボブ・ディラン、59位にU2(『ボーイ』)、66位にビースティ・ボーイズ(『ライセンスト・トゥ・イル』)、74位にケイト・ブッシュ(『天使と小悪魔』)、75位にザ・ラーズ、76位にガンズ・アンド・ローゼズ(『アペタイト・フォー・ディスクトラクション』)、81位にパール・ジャム(『ten』)、85位にエルヴィス・プレスリー(『エルヴィス・プレスリー登場』)、98位にフー・ファイターズが入るなど、年代やジャンルなどが多岐にわたっているのだ。

00年代前後では、今年1月発売し、発売後1週間の売り上げ記録であるファステスト・セリングの記録を塗り替えたアークティック・モンキーズの『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』の36位を筆頭に、72位にザ・ストロークス(『イズ・ディス・イット』)、77位にエミネム(『ザ・スリム・シェイディ LP)、78位にザ・リバティーンズ(『リバティーンズ宣言』)、90位にフランツ・フェルディナンド、95位にザ・ホワイト・ストライプス、100位にアーケイド・ファイア(『フューネラル』)が選ばれている。

それにしても、ニルヴァーナをはじめ、スモール・フェイセス(フェイセス)やディープ・パープル、キング・クリムゾン、イエス、デヴィッド・ボウイ、T. レックス、イーグルス、メタリカ、マイケル・ジャクソン、ハッピー・マンデーズ、ニュー・オーダー、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、アンダーワールド、ベック、スマッシング・パンプキンズ、グリーン・デイ、ランシド、ブラー、リンプ・ビズキット、リンキン・パークなど、ランクインしてもおかしくないバンドがたくさん入っていないのだ。

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