台湾人の世界観調査、「移民したい国」など3項目で日本が1位に。

2006/06/30 22:08 Written by コジマ

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李登輝・元総統をはじめ、親日派が多いことで知られている台湾。その台湾で1986年に創刊した有力総合誌「遠見(グローバル・ビュー)」が台湾全土の住民を対象に「世界観」に関するアンケート行ったところ、「移民したい国」「観光したい国」「立派だと思う国」の3項目で日本が1位になったのだ。

台湾は、05年の海外旅行者数が820万人に達し、ほぼ同じ民族ながら政治的な立場が違うため、中国よりも国際化に関しては以前から高い関心が寄せられているのだけれど、こうした国際化を主題に取り上げている「遠見」は、最新号で「出路」と題した特集を掲載。台湾人への世界観を調査したのだ。

今回の調査は、今年5月に台湾に住む20歳以上の約1000人を対象に、「移民したい国」「観光したい国」「立派だと思う国」「留学したい国」をそれぞれ3カ国ずつ選んでもらった。その結果、「移民したい国」で32.3パーセントで日本が1位となり、次いで米国(29.1%)が2位、カナダ(26.5%)が3位となったのだ。日本が1位に選ばれた理由は、清潔な環境と、和と礼を尊ぶ社会性。ぼくの知り合いの台湾人も、修学旅行で来日した際、その清潔さと人の優しさに感動し、移住を決心したと言っていたのだ。

「観光したい国」でも、日本は52.7%の支持を得て1位になった。2位はやはり米国(28.2%)で、3位は中国(17.2%)。また、歴史や文化の重要な国としてフランス、自然の雄大な国でオーストラリアが選ばれている。さらに、「立派だと思う国」でも日本が1位。47.5%と、半数近い人が日本に敬意を持っていることが分かったのだ。こちらも2位が米国、3位が中国で、4位には韓国が選ばれている。

唯一日本が1位になれなかったのは「留学したい国」。約半数が米国を挙げて1位になっているのだ。台湾では、国内トップの清華大学や台湾大学に入ってもエリートにはなれず、一流になるためには米国への留学が必須という風潮があるそうなのだ。こうした「エリートへの道」に限ると、日本への留学は二流とされているのだとか。それでも、日本は31.3%の人の支持を得て2位になっているのだ。3位には英国(26%)が選ばれている。

「勉強する場」としては2位だったものの、新天地として、旅行先として、そして尊敬する国として日本は台湾人にかなり好かれていることが分かるのだ。今、周辺国と問題を多く抱えている日本にとって、台湾は東アジアで唯一の“味方”ではないだろうか。しかし、これに対して日本は、心情はともかく公式には台湾を国家として認めていない。中国とのしがらみがあるだろうけど、こうして日本に好意を寄せてくれる“国”を大事にしてほしいものなのだ。

一方で、今回の調査結果は、台湾人が日本に抱いている“幻想”も含まれている可能性もある。治安の低下や礼・和を欠いた社会になりつつある日本、台湾人が訪れたときに幻滅してしまわないように気を付けたいのだ。

ちなみに、今回の調査で56.6%の人が、「台湾は貧しく国際的地位が低い」と劣等感を抱いているそうなのだ。こうした心情は、中国との問題が解決しなければ晴れないだろうなあ。

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