「フライト中も吸い放題」、日独間に喫煙専用機就航が計画。

2006/06/29 23:57 Written by コジマ

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世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約への批准、健康増進法の施行、路上喫煙禁止区域や禁煙飲食店の増加、新幹線の全面禁煙、7月からの値上げ、そして周囲の白い目――近年、喫煙者にとって非常に肩身が狭い世情となってきているのだけれど、こうした世の中の趨勢に逆行するような話題が出てきたのだ。日本とドイツの間に喫煙専用のジャンボ機を運行する計画が練られているのだそう。

現在、ほとんどの航空会社が機内全面禁煙にしているのだけれど、最新鋭機のボーイング777にも灰皿が付いているように、国際規定などで禁煙と決まっているわけではなく、各社の判断にゆだねられているのだ。実際、今でも喫煙席というものを設けている航空会社もあるそう。

真偽のほどは不確かながら、こちらのブログによると、中国のある航空会社では喫煙席を設けているものの、喫煙席だろうと禁煙席だろうと禁煙のサインが消えた途端に乗客はたばこを吸い始め、客室乗務員も一切注意しないのだとか。うーん、非喫煙者にとってはなんとも迷惑な話なのだ。

とはいえ、正式に「機内全面喫煙可」を打ち出したのは世界初だそう。こんな時代に逆行したサービスを計画しているのは、ロンドンに本社を置く、その名もスモーカーズ・インターナショナル・エアウェイズ(SMINTAIR)。社長さんはドイツ人投資家で、1日1箱半のたばこを吸うというなかなかのヘビースモーカーなのだ。しかし今回の計画は、何も「禁煙禁煙ってうるさいわい! わしゃ思いっきりたばこが吸える飛行機を運航するじゃ!」という社長の世の中への反逆から立てたわけではなく、先進国の中で喫煙率が高い日本のビジネスマンを当て込んでのものなのだ。

就航を予定しているのは成田とドイツ西端にあるデュッセルドルフ間。デュッセルドルフはルール工業地帯の中核都市で、日本企業も多く進出している。こうした企業のドイツ支社に赴く日本人ビジネスマンのなかで、約12時間の“禁煙”ができない乗客を狙っているのだ。ボーイング747を使用するそうで、エコノミークラスは設定せず、ファーストクラス30席とビジネスクラス108席のみ。成田−デュッセルドルフ間のビジネスクラスの航空運賃は往復30万〜70万円と季節や航空会社によって幅があるのだけれど、ビジネスクラスの席だけでも全部埋まれば、かなりの収入が期待できそうなのだ。また、機内で最上級のたばこや葉巻の販売も予定しているそうで、スポンサーもたばこ会社を中心に募集中とのこと。

来年3月26日の就航を予定しているそうだけど、航空管制当局は時間的に困難との見方を示しているのだそう。3月は無理でも、それ以降なら可能性は十分にありそうなのだ。しかし困ったことに、日本人ビジネスマンが多いながら、現在のところ成田−デュッセルドルフ間の直行便がないとのこと。この「喫煙便」が就航すれば、唯一の直行便となるので、時間がない非喫煙者にとっては地獄のような12時間となりそうなのだ。うーん、排煙設備が気になるところ。まさか、窓を開けるっていうんじゃないよなあ。

ぼくは1日1箱以上たばこ吸う喫煙者だけれど、12時間も他人の煙を吸い続けるのは絶対にイヤなのだ。逆に我慢していたほうが楽なような気がする。他人の煙も大歓迎な人や、煙を我慢してでも早く到着したい人が何人いるのかが、成功のカギを握っているだろう。それにしても、いい迷惑なのは客室乗務員。数年後に「あの便に乗務していたせいで肺癌になりました」なんて訴訟が起こりそうな予感がするのだ。

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