遂に日本上陸、欧州を席巻するクレイジー・フロッグって何者?

2006/06/23 15:42 Written by コジマ

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最近、海外の音楽ニュースを見ているとよく目にするのが、CGカエルキャラクターのクレイジー・フロッグ。その風貌や声はまさにクレイジーなカエルで、映画「ビバリー・ヒルズ・コップ」でテーマ曲だった「アクセルF」のカバーに乗せて電子音のようなスキャット(「ダ・ディ・ダ」などの言葉でメロディーを口ずさむこと。日本ではスキャットマン・ジョンが有名)を披露しているのだ。英国を中心に欧州を席巻し、28日には日本デビューも果たすというこのカエルは一体何者なのだろうか。

クレイジー・フロッグは、もともと着信メロディーや待ち受け画面を配信しているドイツの携帯電話関連会社ジャムスターのキャラクターなのだ。人気が出たのは英国で、「アクセルF」が流れる同社のCMが話題となり、子供から大人まで好かれるお茶の間の人気者となったのだ。

その人気に後押しされて、着メロとして人気が爆発した「アクセルF」をデビュー・シングルとして昨年5月にリリース。発売1週間で15万枚を売り上げ、あのコールドプレイの「スピード・オブ・サウンド」を抑えて全英チャート1位に輝いてしまったのだ。英国といえば、ブラーのデーモン・アルバーンを中心にチボ・マットの羽鳥美保(ショーン・レノンと交際していた人でないほう)らが参加するカートゥーン・バンド、ゴリラズの人気が高いのだけれど、まさかこんなキャラクターまでが全英ナンバー1になるとは……。しかも着メロ出身……。でも、YouTubeでチェックしてみると、フルCGのPVが面白く、かなりノリのいい曲になっているのだ。

その後もこのカエルくんの勢いは止まらず、欧州中に人気が飛び火し、「アクセルF」は23カ国で1位を達成。昨年の世界で最も売れたシングルとなったのだ。調子に乗りまくって、昨年秋にデビュー・アルバム『Crazy Hits』をリリース、今年はW杯に合わせてクイーンの「伝説のチャンピオン」をカバーしている。この「伝説のチャンピオン」は欧州の着うたダウンロードチャートで1位を獲得したのだ。さらに、26日にはニュー・アルバム『More Crazy Hits』を発表予定。このアルバム、米ドラマ「ナイトライダー」の主題歌や、エミネム以前の白人ラッパー、ヴァニラ・アイスのデビュー曲「アイス・アイス・ベイビー」などをカバーしているのだ(公式サイトで試聴可)。

こうして大人気のクレイジー・フロッグも、手放しで歓迎されているわけではないようなのだ。英国では広告基準機構(ASA)に苦情が多数寄せられたそうで、その苦情の的となっているのは、彼の下腹部にちょろっとぶら下がっている「突起物」。カエルには付いていないはずのモノが付いており、CMの放映頻度が高いため、「子供に見せたくない」という抗議が殺到していたのだとか。ASAの裁定ではお咎めなしだったのだけれど、ジャムスター社は自粛し、英国では問題の部分にモザイクを入れたりカットした映像を使っているのだ。

こうして人気とバッシングを受けて欧州を席巻したクレイジー・フロッグが、28日にシングル「アクセルF」と「伝説のチャンピオン」で日本デビューするのだ。着うた、着うたフル、着信ムービーは先行してすでに配信中(//mobile4.toshiba-emi.co.jp/e/cf/)。アルバム『クレイジー・ヒッツ!』は8月9日に発売される。日本盤の『クレイジー・ヒッツ!』は、欧州盤の『Crazy Hits』にプラスして『More Crazy Hits』からも何曲か収録されるそうなのだ。クレイジー・フロッグの“声”はあくまでスキャットのみなので、演奏と歌の部分はフィーチャリングしているミュージシャンが担当している。

お隣の韓国ではすでに人気沸騰中との噂が入ってきているけど、往年のヒット曲にハウス系のノリをプラスし、話題性も抜群、日本でブレイクする要素はバッチリなのだ。ちなみに、日本でのプロモーションでは今のところ例の突起物はそのままになっているのだ。

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