NBAファイナルでヒートが初優勝、MVPはドウェイン・ウェイド選手。

2006/06/21 22:28 Written by コジマ

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4月22日に始まった米プロバスケット協会(NBA)のプレーオフ。約2カ月の激闘の末、ようやっと今年のチャンピオンが決定したのだ。20日に行われたファイナル第6戦で、東カンファレンス覇者のマイアミ・ヒートが、アウェイにもかかわらず西カンファレンス覇者のダラス・マーベリックスを95−92で下し、1988年のチーム創立以来、初となる優勝を果たした。MVPにはヒートのエース、ドウェイン・ウェイド選手が獲得している。

今年のファイナルは、ともに初優勝をかけた戦いになったのだけれど、第1、2戦とマブスが連勝。一気に王手をかけると思いきや、その後はヒートが怒濤の4連勝で王座をつかんだのだ。0勝2敗からの優勝は、77年のポートランド・トレイルブレーザーズ以来3度目だとか。ファイナル全試合の結果は以下の通り。

第1戦 90−80 マブス
第2戦 99−85 マブス
第3戦 98−96 ヒート
第4戦 98−74 ヒート
第5戦 101−100 ヒート
第6戦 95−92 ヒート

優勝の原動力となったのは、なんといっても第3戦以降の全試合で36得点以上と大活躍したウェイド選手。まだ3年目の24歳ながら、少々陰りを見せ始めたシャキール・オニール選手やベテランながら獅子奮迅の働きをしたアロンゾ・モーニング選手(第6戦は14分間で8得点、6リバウンド、5ブロック!)を見事にサポートし、チームを初優勝へと導いた。MVP獲得にも納得なのだ。

ウェイド選手がプロ入りしたのは、レブロン・ジェームス選手(クリーブランド・キャバリアーズ)やカーメロ・アンソニー選手(デンバー・ナゲッツ)など、すでにNBAのトップ選手の地位を獲得している03年。この3人はともに04年のアテネ五輪でナショナルチームのメンバーだったのだけれど、ジェームス、アンソニー両選手がルーキー・オブ・イヤーを争うなかでウェイド選手は蚊帳の外。ジェームス選手が今年のオールスターで史上最年少でのMVPを獲得するなどの活躍をみせる一方で、ウェイド選手はケガに悩まされいたのだ。しかし、この3人で一番早くチャンピオンリングを獲得しMVPにまで選ばれたのだから、その喜びは相当なものだろう。

一方、マブスが2連勝しながら4連敗という最悪の結果になった原因の1つとして、ドイツ出身のエース、ダーク・ノビツキー選手の不振が挙げられるだろう。いつもだったら決めているようなシュートをことごとく外すなど、不思議なほど精彩を欠いていたのだ。しかし第6戦では意地を見せ29得点、15リバウンドと活躍、第1クオーターでは7点まで差を広げた。試合後ノビツキー選手は「だれもここで負けるとは思っていなかった」とコメント。悔しさをにじませていたのだ。

試合に直接関係はないけれど、激情家で知られるマブスのオーナー、マーク・キューバン氏が優勝を逃した20日に、敗れた第5戦の試合中にコートに入って審判に文句を付けたりNBA幹部をののしったために25万ドル(約2875万円)の罰金を言い渡されたのだ。今回のファイナル敗退はオーナーの不作法な振る舞いも原因しているのかも。でもこのオーナー、00年の就任以来、罰金総額が145万5000ドル(約1億6733万円)を超えたというから、あまり関係ないか。それにしても、いくらIT長者とはいえ、自分の感情を放出するために6年間で2億円近く払うとは、恐ろしい人なのだ。

ヒートは、モーニング選手やゲイリー・ペイトン選手らの活躍が目立ったファイナルだったけど、この2選手は引退の声もささやかれている。もうちょっとプレーを見ていたい気がするけど、ファイナル制覇は最高の花道、よい機会かもしれないのだ。

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