売れ行き好調なパイロットの若年層向け万年筆「ペチットワン」。

2006/06/15 13:49 Written by コ○助

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大人になってからめっきりやらなくなってしまったことのひとつが、筆記用具を使って何かを書くという行為。文章はNarinari.comの更新や雑誌の原稿などで常日頃から書いているものの、ペンを手にするのは郵便物の宛名書きくらい。最近はほとんど手帳をつけることもなくなってしまったので、コ○助の生活の中で筆記用具の出番は皆無となってしまったなりね。パソコン全盛の世の中なので仕方がないなりが、それでも学生の頃には筆記用具が好きだったはずの自分がここまで疎遠になるとは、きっと昔の自分が見たら驚くこと間違いなしなりよ。

筆記用具が好きだった……というと、やけにこだわりがあったようにも聞こえるので語弊があるなりが、実際にはボールペンやシャープペンシルを選ぶのが楽しかったというライトな感じなので、いろいろなこだわりがあって、高級品を愛用して……というのとは少し違うなりね。でも、世代的に少数派だと思うなりが、コ○助は万年筆の質感が好きで、たまに何か残しておきたいような文章を書くときには万年筆を使うことが多かったなりよ。

万年筆が好きになったきっかけは、小学生の頃に通っていた個人塾だったなり。その塾の先生は手書きの問題を毎晩仕込んでは生徒に配布するという、手間のかかることをしていたなりが、それがすべてわら半紙に万年筆という組み合わせで書かれていたなりよ。滑らかなインクで書かれた文字は味わい深く、時どきインクがにじんでいるのもまた趣深く。何年かあとに何枚もたまった問題の数々を見返したときに、黄ばんだわら半紙と青い万年筆のインクのコントラストがボールペンでは出せない味になっていることに気が付かされたなりよ。以来、万年筆が、というよりも万年筆のインクの質感が好きになったわけなり。

誰もが感じているように、今の時代、万年筆はスタンダードな筆記用具とは言い難いなり。学校の入学祝いなどに「一生モノ」として万年筆を贈るのが定番だった時代もあったなりが、それもずいぶん昔の話。長年に渡って需要が低迷しているため、メーカーは万年筆の需要回復に向けてあの手この手のテコ入れ策を講じているなりが、そのひとつがパイロットの仕掛けた「ペチットワン」シリーズ。以前から存在する安価な万年筆に、ボールペンのような手軽さと、豊富なカラーバリエーションを用意、透明感のある外観のポップなスタイルを採用することで、特に若年層の需要開拓に乗り出した戦略的な製品なりよ。

2005年4月に「販売目標500万本」という高い数字を設定して世に送り出された「ペチットワン」なりが、パイロットの狙いはズバリ的中。低迷を続けてきた万年筆市場にカツを入れるヒット商品になっているというなり。初年度の500万本の目標は見事にクリアし、当初ターゲットとして想定していた10代女性のみならず、ユーザー層は女性会社員や主婦などにも広がりを見せているのだとか。1本315円と手軽な価格設定に加え、インクを使い切っても取り替えられるカートリッジがしっかり用意されているのも素敵なりよ。

何気なく「ペチットワン」を使うことが、万年筆の良さに気が付くきっかけになるのであれば、それはとても素晴らしいこと。これを足がかりに、万年筆という文化が見直され、需要が伸びていくと良いなりね。パイロットは「ペチットワン」の商品展開に意欲的なようなので、今後の展開に期待したいものなり。

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