「おなかのなかは暗くてあたたかかった」、幼児の3割に“胎内記憶”。

2006/06/05 19:42 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


幼児には成長に伴って消えていく不思議な記憶があるそう。ぼくも小学生の頃に前世の記憶を持つ子供の話をテレビや雑誌で見たことがあるのだけれど、生まれる前、お母さんのお腹のなかにいた頃の“胎内記憶”を、3人に1人の幼児が覚えていることが、横浜市の産婦人科医の調査で判明したのだ。「暗くてあたたかかった」「ママの話し声が聞こえた」など、とてもリアルな回答が寄せられている。

調査は、2002〜03年に長野県諏訪市と塩尻市の38施設(保育園36、幼稚園2)に通う幼児1620人(平均年齢4歳)を対象に行われた。その結果、534人(33%)の幼児に胎内記憶があることが分かったのだ。回答の中身を見てみると、「暗くてあたたかかった」「水のなかに浮かんでいた」「ひもでつながれていた」「おなかのなかは暗くてきゅうくつ。ママの話し声が聞こえた」というリアルなものも。335人(21%)には生まれる際の“誕生記憶”もあったのだとか。

調査を行った池川クリニック(横浜市金沢区)の池川明院長は、「赤ちゃんと話そう! 生まれる前からの子育て」(学陽書房)、「おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと」(リヨン社)、「ママのおなかをえらんできたよ」(リヨン社)などの著書で知られている胎内記憶の第一人者。同院長が胎内記憶について関心を持ったのは、7年前に見た小学1年生が書いた作文がきっかけだとか。帝王切開で出産した際の記憶が、事細かに記されていたそうなのだ。

日本では90年代から胎教について取り沙汰されるようになったけれど、胎内記憶を持っている子供が少なからずいるということは、その胎教の大切さを裏付けているのだ。同院長のブログをのぞいてみると、実際に自分の子供に胎内記憶を聞いているお母さんたちのコメントが掲載されており、「ママのおへそにつかまってたよ」という子や、マタニティースイミングをしていたお母さんに連れられて出産後スクールに行った子供が初対面のコーチの名前を呼んだ、というエピソードが紹介されているのだ。

また、胎内記憶ではないけれど、すでにお子さんがいるお母さんのコメントがとても興味深かったのだ。2人目の赤ちゃんを妊娠が発覚する前にその子から「赤ちゃんおなかのなかにきたんだよ」と言われ、「赤ちゃんいなくなっちゃった」と言われたあとに自然流産したそうなのだ。しかし、その際その子は「赤ちゃんは、たくさんの荷物があって、忘れ物をしたら取りに行かなあかんねん。取りに行っただけやから、またすぐ来るよ」と言い、3カ月後に「赤ちゃん帰ってきたよ。今度は忘れ物ないって!」と言ったあとに妊娠したそうなのだ。うーん、子供ってすごい!

胎内記憶や誕生記憶を語るのは2〜3歳の子供が多かったそうで、3歳前後は「胎内記憶適齢期」だそう。この年齢のお子さんを持っている方は、一度聞いてみても面白いかもしれない。その際は、決して「○○だったでしょ?」というような誘導尋問をしてはいけないそうなのだ。また、胎内記憶を聞いて驚いたりすると子供がおびえてしまうので、「当然そんなことはあるよ」という態度で接するのが大事なのだとか。

胎内・誕生記憶だけでなく、前世の記憶や「生まれる前にみんなで集まって親を選んでいた」といった記憶を持っている子供もいるそう。成人でも1%の人が胎内記憶を持っているというから、本当に人間の記憶って不思議なのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.