ガソリン価格高騰で米国にスクーターブームの兆し。

2006/05/25 23:37 Written by コジマ

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1バレル(159リットル)70ドル(約7300円)台という史上最高値を更新している原油価格。先月22日に開かれた主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも議題にのぼるほど世界経済を圧迫している。そんななか、スクーター大手の米ピアジオ社らが行った調査で、「これ以上ガソリン高が続くなら、日常の足としてスクーターを購入したい」と答えた米国人が3割にのぼったそうなのだ。

最近のガソリンは本当に高い。クルマに乗るのをためらうほどの高さなのだ。これは米国も同じことで、24日の米エネルギー情報局(EIA)発表によると、今夏は1ガロン=2.6ドル以上で推移するそうなのだ。これは1リットル=約150円で、日本の価格よりも高まっていることがうかがえるのだ。

今回の調査の結果、「スクーターに乗り換えたい」と答えた3割の人のうち、35%が「週に25ドルもガソリン代が節約できる」、33%が「環境保護に役立つ」としている。自動車総合情報サイトのResponse.によると、実際に3割の米国人がスクーターに乗り換えたとしたら、1日あたり1400万ガロンのガソリンと3億2400万ポンドの一酸化炭素排出を節約できるそうなのだ。

でも、都市部ならいざしらず、日本と違って米国でスクーターを足代わりに使うのは、安全性はもちろん、そのほかにもいろいろと問題がありそうなのだ。大型冷蔵庫いっぱいの買い物はできないだろうし、家族で出かけることも不可能になる。こうしたことを重視する米国人にもともとスクーターの人気は低く、ピアジオ社も米国の事業から一度撤退している。

しかし、今回の調査結果が裏付けているように、実際にスクーター人気は上昇しているようなのだ。国土の広い米国は、どうしても移動手段としてエンジンが付いたものに頼らざるをえない。「これを契機に、米国でもスクーターの良さが見直されれば」とピアジオ社のパオロ・ティモリ社長が語っているように、ガソリンの価格が下がるまでクルマをガレージにしまっといて、スクーターを活用するようにすれば、財布だけじゃなく資源の節約と環境保護にも良い影響が出そうなのだ。でも、スクーターの購入資金とこれからかかるガソリン代、どちらが高いのだろうか……。

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