英BBCにIT専門家と間違えられ素人が生出演、音楽DLの持論を語る。

2006/05/16 14:55 Written by コジマ

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英放送協会(BBC)は15日、8日に生放送された番組「News24」でIT系ウェブサイトの編集者、ガイ・J・キューニー氏として別人を出演させ、インタビューを行ったことを視聴者に謝罪したのだ。実際に出演したのは、データ消去を専門とするコンゴ出身の男性、ガイ・ゴーマ氏。ゴーマ氏は動揺を隠せなかったが、短いインタビューに何とか答えて乗り切った。

8日は、リンゴの商標をめぐって米アップルコンピュータが英レコード会社アップルに勝訴した日。News24のキャスター、カレン・ボワーマンは、キューニー氏に聞く予定だったこの判決の感想をゴーマ氏に直撃した。ゴーマ氏は激しく動揺したようで、You Tubeで確認すると、ボワーマンに「IT系ウェブサイト編集者のガイ・キューニー氏です」と紹介されると、目をむいて「え? いや、違うよ!」とでも言いたげに口をぱくぱくさせながら挙動不審な態度を示しているのだ。

しかし、あいさつのあとは比較的冷静に対処し、「アップルvsアップル」の判決について聞かれると、「予想していなかったので非常に驚いています」と回答。その後はスタジオの雰囲気に慣れたのか、音楽ダウンロードとネットカフェの未来について自身の意見を述べた。

この強いフランス語なまりで雄弁に語る“キューニー氏”を見て驚いたのが、楽屋でモニターを眺めていた本物のキューニー氏。同氏は、自身のブログで「最初は面白いと思ったが、すぐに不安な気持ちになった。視聴者が間違いに気付かずに自分を無知だと誤解し、名前に傷が付くのではないかと思ったからだ」と述べている。

“にせキューニー氏”の様子を見たプロデューサーは、異変が起きていることに気付いたのだけれど、生放送だったために番組を続行。インタビュー終了後にゴーマ氏に「何か問題がありましたか」と尋ねたのだけど、ゴーマ氏は「うん、まあまあの出来だったよ。ただちょっとばかり慌ててしまったかな」と答えている。

この間違いの発端は、スタジオマネジャーがキューニー氏の楽屋でなく受付に電話したことだそう。その受付にいたのが、キューニー氏と同じファーストネームを持つゴーマ氏。当初タクシー運転手と報道されていたゴーマ氏だけど、実際はBBCへ技術者の職を求めて面接(インタビュー)を受けるために来ていたのだ。ゴーマ氏が英語に堪能でなかったことも一因とする報道もある。

しかし、キューニー氏は白人でゴーマ氏は黒人。スタッフへの周知が徹底してれば防げたことだったのではないだろうか。しかし、当のゴーマ氏は最後まで気づかず、データ消去の技術について何も聞かれなかったことに多少腹を立てていたそうなのだ。

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