米フォーブス誌、大リーグ30球団の資産価値を算定。

2006/04/22 19:53 Written by コジマ

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世界長者番付で有名な米経済誌フォーブスが20日、大リーグ(MLB)30球団の資産価値(推定)をランキング(Baseball Team Valuations)を発表したのだ。1位は松井秀喜外野手が在籍するニューヨーク・ヤンキースで、前年から8%増の10億2600万ドル(約1196億円)。収支ではヤンキースは赤字となってしまったけど、30球団中25球団が黒字だった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝もあり、選手の質はMLBに近づきつつある日本のプロ野球。しかし、球団経営や選手の年俸にはまだまだ大きな開きがあるのだ。

このランキングは収入とほぼ一致しており、資産価値1位のヤンキースは収入も2億7700万ドル(約323億円)でトップ。しかし、大都市ニューヨークに本拠を構えるヤンキースはレベニューシェアリング(歳入分配)制度*で7700万ドルを負担していることもあって、収支は5000万ドル(約64億1000万円)の赤字なのだとか。資産価値2位のボストン・レッドソックスと3位のニューヨーク・メッツも同じ理由で赤字を出している。

しかし、対ヤンキース戦はチケットの売り上げが25%高まり、ヤンキース関連グッズがMLB商品の売り上げ全体の27%占めているため、フォーブス誌のマイケル・オザニアン記者は「その利益は1球団当たり300万ドルずつ“分配”されている」としているのだ。選手の年俸の高さといい、本当に巨人に似ているのだ。

さて、その恩恵を受けたのが、3460万ドル(約40億円)と最も利益を上げたのクリーブランド・インディアンス(資産価値では17位)や、資産価値の上昇率が42%と最も高かったワシントン・ナショナルズ(同6位)。オザニアン記者は、オークランド・アスレチックスやミネソタ・ツインズ、カンザスシティー・ロイヤルズなども挙げている。

人気も実力も高く、グッズの売り上げも大部分を担っているヤンキースとしては、他の地方球団が利益を上げるなか赤字なのは納得いかないとは思うのだけれど、ヤンキースのオーナーであるスタイン・ブレナー氏は、このレベニューシェアリング制度について一応承認しているようす。人気のある特定球団だけが利益を上げ、赤字を出し続ける地方球団に対して「企業努力が足りない」と片づける日本のプロ野球は、見習うところが多いのだ。それにしても、日本の球団の資産価値はどれくらいなのだろう。


*レベニューシェアリング(歳入分配)制度
本拠地やその都市の市場の規模による不公平さを解消するために、地方で各球団が得たグッズなどの売り上げを各球団に分配する制度。MLBでは、各球団の総売り上げからスタジアム修理費などの諸経費を引き、そのうちの34%がリーグに戻され、各球団に分配される。


☆Baseball Team Valuations全ランキング〔資産額(増加率)、収入、収支。単位はドル〕
1 ニューヨーク・ヤンキース    10億2600万(8%) 2億7700万 −5000万
2 ボストン・レッドソックス     6億1700万(10%) 2億600万 −1850万
3 ニューヨーク・メッツ       6億400万(20%) 1億9500万 −1610万
4 ロサンゼルス・ドジャース     4億8200万(14%) 1億8900万 1340万
5 シカゴ・カブス          4億4800万(12%) 1億7900万 790万
6 ワシントン・ナショナルズ     4億4000万(42%) 1億4500万 2790万
7 セントルイス・カージナルス    4億2900万(16%) 1億6500万 790万
8 シアトル・マリナーズ       4億2800万(3%) 1億7900万 730万
9 フィラデルフィア・フィリーズ   4億2400万(8%) 1億7600万 1480万
10 ヒューストン・アストロズ     4億1600万(17%) 1億7300万 3020万
11 サンフランシスコ・ジャイアンツ  4億1000万(8%増) 1億7100万 1120万
12 アトランタ・ブレーブス      4億500万(6%) 1億7200万 2760万
13 ロサンゼルス・エンゼルス     3億6800万(25%) 1億6700万 −260万
14 ボルティモア・オリオールズ    3億5900万(5%) 1億5600万 2100万
15 サンディエゴ・パドレス      3億5400万(8%) 1億5800万 1300万
16 テキサス・レンジャーズ      3億5300万(8%) 1億5300万 2470万
17 クリーブランド・インディアンス  3億5200万(10%) 1億5000万 3460万
18 シカゴ・ホワイトソックス     3億1500万(20%) 1億5700万 2170万
19 アリゾナ・ダイアモンドバックス  3億500万(7%) 1億4500万 2180万
20 コロラド・ロッキーズ       2億9800万(3%) 1億4500万 1630万
21 デトロイト・タイガース      2億9200万(22%) 1億4600万 350万
22 トロント・ブルージェイズ     2億8600万(34%) 1億3600万 2970万
23 シンシナティ・レッズ       2億7400万(8%) 1億3700万 1790万
24 ピッツバーグ・パイレーツ     2億5000万(15%) 1億2500万 2190万
25 カンザスシティー・ロイヤルズ   2億3900万(28%) 1億1700万 2080万
26 ミルウォーキー・ブリュワーズ   2億3500万(13%) 1億3100万 2240万
27 オークランド・アスレチックス   2億3400万(26%) 1億3400万 1600万
28 フロリダ・マーリンズ       2億2600万(10%) 1億1900万 −1190万
29 ミネソタ・ツインズ        2億1600万(21%) 1億1400万 7000万
30 タンパベイ・デビルレイズ     2億900万(19%) 1億1600万 2030万

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