タクシーでパンクを歌った男性、テロ容疑で事情聴取。

2006/04/07 17:58 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、セックス・ピストルズのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)が、グリーンデイに対し「あんなのパンクじゃねえ」という発言をして話題になったのだけれど、ピストルズをはじめ、“元祖パンク”の歌詞は過激なものが多いのだ。そんなパンクの曲を空港に向かうタクシーなかで歌った男性が、テロリストと勘違いされて警察に通報されるという“事件”が英国で起こったのだ。

ハラジ・マンさんは、北イングランドのダラム・ティーズ・バレー空港に向かうタクシーのなかで、MP3プレーヤーから流れる曲に合わせて歌っていた。このタクシーにはお客さんのMP3プレーヤーを接続してスピーカーで聴けるシステムが搭載されており、マンさんは自分が持ち込んだお気に入りの曲を口ずさんでいたのだ。そのうちの1曲が、ザ・クラッシュの大ヒットシングル「ロンドン・コーリング」(1979年)だったの不運の始まり。流れる景色を眺めながら、マンさんが歌詞の「宣戦布告された/戦いが始まる(Now war is declared/and battle come down)」と口ずさんだことにより、運転手は「テロを決行するのではないか」と思うようになり、テロリストとして警察に通報してしまったのだ。

それを知らないマンさんは、搭乗手続きをしてロンドン行きの飛行機に乗り込んだところ、警察に任意同行を求められて飛行機を降り、警察署で事情聴取を受けたのだとか。もちろん根も葉もない言いがかりなので、すぐに釈放されたのだけれど、乗るはずだった飛行機はすでに飛び立ってしまっていた。

警察は「通報は善意によるもので、こういうことがあったからといって、一般の方々が通報を控えることがないよう望む」(ライブドアニュースより)としているけど、勘違いもいいところ。しかも飛行機を逃すなんて、この責任は誰が取るのだろうか。

マンさんはさぞかし怒りをあらわにしているだろうと思いきや、「プロコル・ハルムをかけたら、ドライバーは気に入ったみたいだったんだ。だからオールディーズが好きなのかって思って、(レッド・)ツェッペリンをかけた。それからロンドンへ行くところだったからクラッシュ(「ロンドン・コーリング」)を流して、その後ビートルズにしたんだよ。運転手はツェッペリンもクラッシュも好きじゃなかったみたいだな。でも何も警察を呼ぶ必要はなかったよ」(BARKSより)と、意外にあっさり。パンクは好きだけど、物事に寛容な人のようなのだ。しかも運転手に気を遣って選曲しているし。

日本でも、タイマーズアナーキーなどの過激な歌詞を口ずさむ場合は注意が必要なのかもしれない。「瓜田李下」ってやつなのだ。それにしても、タクシーでMP3が聴けるシステムはうらやましいのだ。日本でも導入しないかなあ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.