「インドの歴史を知る?」250歳の長寿ガメが死亡。

2006/03/25 08:15 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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インドはカルカッタ動物園。ここではアルダブラゾウガメとしては世界最長寿だといわれていた「アッドワイタ」が飼育されていました。が、先日この巨大ガメがとうとうお亡くなりに。死因は肝不全で、享年250歳だったとのこと。はっきりとした記録があるわけではないのですが、大きさと以前の所有者の歴史から、この年齢を推定しているそうです。

このカメ、なんと18世紀に活躍したとある歴史的人物のペットだったとか。1700年中期、当時フランスとイギリスはインドを領地にすべく戦っていました。この時イギリス軍を率き、同国の勝利を導いたのがロバート・クライブ。彼はイギリス東インド会社に書記として入社した後、軍人としてキャリアを積み上げていった人物です。フランスとの戦いの後一旦イギリスに戻りますが、再度ベンガル知事としてインドに赴き、英領インドの基礎を築いたといわれています。

そんな彼の元にどうやって「アッドワイタ」がやって来たのかというと、英国水兵がインド沖のセイシェル諸島で彼を見つけ、クライブにプレゼントしたからだとか。その後この軍人のインドにある自宅で数年一緒にくらしたといいます。そののんびりとした趣きで、歴史を作った人物をじーっと眺めていたのかもしれませんねぇ。

ちなみに「アッドワイタ」とはベンガル語で「たったひとつだけの」という意味があるそうです。アルダブラゾウガメの平均寿命は100年、体重は大体120kg にも育つんだとか。その平均寿命を2倍以上生きたというアッドワイタ、その冥福を祈らずにはいられません。

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