中日・川上憲伸投手、査定の見直しを求めて激白。

2006/02/08 09:45 Written by コジマ

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開幕まで2カ月を切った現時点でも契約更改をせず沖縄キャンプには自費で臨むなど、強固な態度を貫いている中日の川上憲伸投手。昨季11勝を挙げながらも後半は1勝5敗にとどまったことで球団は2000万円ダウンを提示し、3度目の交渉も決裂していた。そんな川上投手が7日、沖縄県恩納村の選手宿舎で先発投手の査定見直しを、報道陣の前で訴えたのだ。

川上投手の推定年俸は2億3000万円だったけど、実質は2億5000万円だったことが判明。当初球団はこれから2000万円ダウンの2億3000万円を提示。3回に及ぶ交渉も決裂したため、キャンプに入ってからの下交渉で1000万円を上乗せした。川上投手は今回のインタビューで、次回の交渉ではこの金額で条件付きでサインすることを明言したのだ。その条件とは、先発投手の査定の見直し。
「どれだけ勝てばアップするのか。査定をはっきりさせたい」(中日スポーツより)

11勝は立派な数字。昨季同じく11勝を挙げた阪神の安藤優也投手は3200万円アップの7800万円(推定)、横浜の門倉健投手は2500万円アップの7500万円(同)でサインしているのだ。しかし、ここでネックになるのが2億5000万円という高年俸。エースとしてもらっている金額に見合う働きだったか言われれば、首を横に振らざるをえないのだ。ちなみに、13勝を挙げた阪神の井川慶投手と12勝で最優秀防御率のタイトルを取った横浜の三浦大輔投手は、現状維持でサインしている(ともに推定年俸2億2000万円)。

このことについて、川上投手は「年俸は3000万ダウンでも、4000万ダウンでもいいんです。査定の見直し? そういうことです。昨年のことよりこれからのことをね」(中日スポーツより)と、今回の交渉難航の理由を、年俸のダウンではなく明確な査定を求めるためとしているのだ。しかし、この後の川上投手の発言には疑問符が付く。

「(中6日のローテーションを崩されて)行けと言われれば、エースとして行く。しかし体はボロボロだった。『おしっこをしたい子どもが、漏れそうでも言い出せないような状態』だった。(故障者続出で)中日はもう投手王国じゃない。僕だけしかいないからって登板して、優勝できなかったら、僕だけの責任ってのは…」(中日スポーツより)
 「今のままの査定なら15勝しても3000万アップがいいところ。1億円アップとかを狙ったら27勝、28勝とかしないといけなくなる。(僕の立場は)ドラゴンズのエースじゃないのかもしれない」(スポーツニッポンより)

うーん、これは2億5000万円もらっているエースとしての責任を投げ出していると取られかねないのだ。大車輪の働きをみせても結果を出さなければ評価されないのが、実力主義のプロの世界ではないのだろうか。それに、勝ち星の数ではなく、タイトルを取らないまでもそれを争ったか、勝たなければいけない試合に勝ったかなどが加味されるのは当然のことと思うのだけれど……。もともと高年俸なんだし。

これに対して、西川順之助球団社長は「川上くんには一つだけ分かってほしいことがある。川上くんが成績を残した時、球団はどれだけ、それに報いたかだ」「年俸には枠というものがあって、それを超えて提示することはできない。もうこれ以上金額を上乗せして、川上くんだけを特別扱いするわけにはいかないんだ」(中日スポーツより)と、優勝した一昨年のタイトル総ナメの活躍に相当な年俸アップで評価したことを訴えているのだけれど、伊藤一正球団代表は「彼の言葉に耳を傾けます」、「今年のオフは早い段階から交渉します。『年末は忙しいから』と選手の都合に合わせていれば時間がなくなる」(サンケイスポーツより)と、第二の川上投手を出さない方針を打ち出している。

たしかにこの状態は、川上投手にとっても球団にとってもマイナスにしかならない。次回の交渉では、川上投手が球団の提示額を本当に受け入れるのか、球団は同投手が納得いくような査定案を提示できるか、注目なのだ。

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