ザ・フーのピート・タウンゼント、日記で世界ツアーを公約。

2006/02/07 23:19 Written by コジマ

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昨年11月に、同じく“四大ブリティッシュ・バンド”の一翼を担うザ・キンクスとともに英国音楽の殿堂(UK Music Hall of Fame)に入ったザ・フー。すでにVフェスティバル(ヴァージンレコード主催の英国の音楽フェスティバル)に出演が決定しているものの、ニュー・アルバムの発表を2004年から待たされまくっている状態で、アルバム発表後に予定されていたツアーもなくなるのではないかとウワサされていたのだ。そんななか、フーのギタリストでソングライターのピート・タウンゼントが自身のサイトの日記で、2006年に全米ツアー、翌07年には世界ツアーを行うと公約したのだ。

昨年7月に行われた「Live8」ロンドン公演で元気な姿を見せたザ・フー。“世界最強のライブバンド”である彼らのツアーを心待ちにしていたファンも多いのではないだろうか。ピートは公式サイトの2月1日の「A Curved Ball Universe」を題した日記で、「ツアーをやるよ。すでに6月と7月に欧州のフェスへ出演するのことが決まってるんだ。」、「全米ツアーは多分3、4カ所、9月から12月にかけてやる。2007年には世界ツアーを予定している。」と書き記したのだ。

これが本当ならモッズキッズにとって大朗報なのだけれど、ピートは、04年の日記で「2005年の春か夏の初めにはニュー・アルバムを発表する予定だ」と語っていながら現在も新作が発売されていないという“前科”があるため、にわかには信用できないのだ。そのくせ自分のベスト盤なんて出してたりするし。

今回の日記では、その24年ぶりとなるニュー・アルバムについても「夏の初めに新しいCDを発表するよ。今まで何度もそんなホラを吹いてきたね。でも、今回は確約するよ。新しいCDを出すのに十分な曲を作ってあるし、今も制作してるんだ。」と語っているのだ。うーん、反省しているみたい(笑)。

ぼくは「マイ・ジェネレーション」や「アイム・ア・ボーイ」などの初期の曲が好きだし(それ以降でも「ピンボールの魔術師」なんかは好きだけど)、ロック界の破壊王キース・ムーンなくして“世界最強のライブバンド”とは言えないのではないかと思っているのだ。でも、昨年活動休止を宣言したハイロウズの甲本ヒロトが「ザ・フーはCDなんかよりライブを観たほうが数倍いい」と言ってるし、最初で最後の来日公演となっていた2004年のROCK ODYSSEYも観に行けなかったので、新しいアルバムを引っ提げての来日公演をすごく期待してしまうのだ。

ピートとともにバンドの象徴だったキース・ムーンだけでなく直立不動ベーシスト、ジェン・エントウィッスルの勇姿も拝めないけれど、やはり、ピートのウィンドミル奏法を生で観たいのだ。オアシスの来日公演で「マイ・ジェネレーション」を披露したザック・スターキーの演奏にも期待。

また、ザ・フーといえばロックにストーリーを持たせた「ロック・オペラ」の創始者でもあるのだけれど、最初のロック・オペラのアルバム『トミー』は、75年にケン・ラッセル監督によって映画化され、92年にピートの演出によってブロードウェイ・ミュージカルとなり、トニー賞で5部門を受賞した。そのブロードウェイ・ミュージカル「トミー」が、3月2日から東京・新宿の東京厚生年金会館で日本で初めて上演されるのだ。そして、テレビ朝日では映画版「トミー」が今月11日の深夜2時50分から、ミュージカルの特別番組が12日深夜1時30分から、それぞれ放送されるのだ。

メンバーの死や解散、再結成、児童ポルノ容疑で逮捕(不起訴処分)など、幾多の試練を乗り越えてきたザ・フー。リンゴ・スターの息子でキースの“愛弟子”のザックと世界最高峰のベーシストといわれるピノ・パラディーノを迎え、還暦を過ぎてもまだまだ意欲的に活動を続けるピートとロジャー・ダルトリーからまだまだ目が離せないのだ。

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