「列車+バス」世界初の新型車両、来年度中に営業運転へ。

2006/02/02 11:21 Written by コ○助

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列車とバスが合体し、線路の上でも、道路の上でもスイスイ走れる車両があったら。そんな機動性の高い「デュアル・モード・ビークル(DMV)」なる車両をご存知なりか? 鉄道の終着駅からその先、線路の引かれていないような過疎地にも乗り入れることができるこの車両は、輸送力の強化に大いに役立つものとしてにわかに脚光を浴びているなりよ。

もともと「デュアル・モード・ビークル」は20世紀の初頭にイギリスで開発が進められ、日本でも国鉄が開発に着手したことがあったなりが、いずれも実用化には失敗。その理由は「鉄道車両が一般道路を走るには重すぎたから」だったようなりが、2002年からJR北海道が「一般道路を走る車両を線路でも走らせる」という逆の発想で開発に乗り出し、2003年に試作車両が完成。現在、2006年度中の営業運転を目指して着々と準備が進められているなりね。ローカル線が多く、また、過疎地域を多く抱えるJR北海道だけに、「デュアル・モード・ビークル」の実用化にかける期待は大きいなりよ。

具体的に、JR北海道が想定している「デュアル・モード・ビークル」の導入による効果には、次のようなものがあるなり。

・バスト鉄道の乗り換えなしの移動(バリアフリー。高齢者にも優しい)
・バスと鉄道のアクセスの融合(通勤バス←→通勤列車のシームレス化)
・観光バスと鉄道の融合(駅から観光地までの誘導が容易に)
・近隣鉄道同士を線路を引くことなく接合
・車両の軽量化&コストの低減(ディーゼル車両の7分の1のコスト)
・オペレーションコストの低減(保守費用などの負担も減少)
・省エネ(環境負担の低減)


基本はバス程度の大きさの車両1両での運行になるので、都市部での輸送にはあまり向かないなりが、地方では導入メリットの大きいことばかり。特に、赤字に悩むローカル線や観光促進を目標とする地域では「デュアル・モード・ビークル」の存在はひと筋の光明とも言えるなりね。また、近隣にありながら、線路が繋がっていないために相互乗り入れが不可能だった私鉄や第三セクターを結ぶ架け橋としての期待も大きく、これが実現すれば各地の輸送力が大幅に強化され、周辺住民の利便性が大幅に向上するのは確実なりよ。

具体的に導入計画が進められているのは現時点ではJR北海道のみなりが、こうした「デュアル・モード・ビークル」のメリットに魅力を感じた地方からの関心は高いようで、兵庫県を走る第三セクターの三木鉄道や、新たな交通網の整備を目指している静岡県富士市、千葉県などの自治体、さらには線路敷設が難しい山岳地帯への導入に向けてスロバキアなどから問い合わせが来ているのだとか。新しい21世紀型の乗り物として、「デュアル・モード・ビークル」が大きく羽ばたく可能性は十分にありそうなりよ。

今のところ試験走行では特に目立った問題はないようなので、あとは法令に基づく安全基準をクリアすれば実用化されることになるなり。実際に走る姿を目にするのも、そう先のことでは無いなりね。

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