「『声で効果音』やりたかった」宮崎駿監督が新作を大いに語る。

2006/01/22 17:15 Written by コ○助

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三鷹の森ジブリ美術館にある映像展示室「土星座」において、1月3日から上映が始まった宮崎駿監督の新作短編映画3本。これまで多くの劇場用長編を手がけてきた宮崎駿監督なので、15分前後の短編、しかもジブリ美術館での限定公開ということで、気になっているファンも多いと思うなり。この新作はどのような作品なのか、まずは簡単にチェックしておくなりね。

「やどさがし」…原作・脚本・監督/宮崎駿、音・声/タモリ、矢野顕子
「水グモもんもん」…原作・脚本・監督/宮崎駿、声/矢野顕子
「星をかった日」…原作/井上直久「イバラード」より、脚本・監督/宮崎駿、声/神木隆之介、鈴木京香、大泉洋

短編とはいえ、いずれも宮崎駿監督がメガホンを執り、脚本を担当し、スタジオジブリが1年近くの歳月をかけて創り上げた作品。声優に起用されている面々もタモリ、矢野顕子、神木隆之介、鈴木京香、大泉洋と大物がズラリと並んでいるなりよ。この名前を見ただけでも、いかに力の入った作品なのかがうかがえるなりね。

そんな新作短編映画3本に関して、珍しく宮崎駿監督が読売新聞のインタビューに答えているなりよ。興味深い内容だったので、少し見ておくことにするなりね。

「『やどさがし』は画面にそのまま、雨の『ザー』とか、森の『ザワザワ』とか、(絵で描いた)文字が出る。効果音も音楽も、すべてタモリさんと矢野顕子さんの声だけで表現している。普通の劇場公開作ではできませんよ」
「短編って、絶対に商売にならないですよ。ところが、ジブリには(三鷹の森ジブリ美術館の)劇場がある。もうけを考えなくてもいい。こんな気持ちのいい仕事はありませんよ」
「(ジブリ新作のゲド戦記には)口も出さないし、手も出さないし、目も出さない。見ないってことです。一切かかわらない。だから、僕はアトリエにこもっている。近づくと、お互い緊張感が走りますから」
「今回の短編でも、ずっとやりたかったことができた。作品の最後に、タレントさんを除くスタッフの名前を全員、順不同で1枚の絵の中で紹介した。だらだら名前を出す最近の映画は嫌い。ましてや短編でやったら、観客に失礼ですよ。これも痛快でした」

宮崎駿監督が楽しみながら作ったのがこれだけ伝わる作品も珍しいなりよね。実験的な試みも行われているようなので、ぜひともチェックしてみたいものなり。

この短編映画3本の上映期間は3月13日までと短いほか、入館者は3本のうち1本しか見られない「縛り」が存在しているなりよ。すべての作品を見ようと思ったら、最低3回は足を運ばなければならないなりか……。チケットは完全予約制のためそう簡単には行けないかもしれないなりが、ファンの人はぜひジブリ美術館での上映を楽しんでくださいませ。

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