ソニーが携帯音楽部門を再編、「iPod」の牙城を崩せず。

2006/01/21 20:52 Written by コ○助

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登場以来、ライバルの攻勢を全く寄せ付けることなく圧倒的な強さを見せ続ける王者「iPod」。かつて「携帯音楽機器」の代名詞的存在だったソニーは、パソコンと連携する携帯音楽プレーヤーの分野にやや遅れて参入したことや独自規格に固執したことが災いし、苦戦を続けているなりよね。この分野で「iPod」に次ぐシェアを獲得して一定のポジションは確保しているものの、「iPod」の背中はまだまだ遠くにあるのが現状なりよ。

ソニーには、「iPod」を追撃するために2004年に設立した、ハードとソフトの双方を手がける携帯音楽部門「コネクトカンパニー」という組織があるなり。これは日本のソニーが開発するデジタルオーディオプレーヤー(HDDウォークマンなど)と、アメリカのソニーが展開する音楽配信サービス「Connect(コネクト)」を連携させ、新たなサービスの創出と、「ソニーらしい製品の開発」を目指す本社直属の組織のこと。日本のHDDオーディオ部門やDRM関連部門も傘下に異動させ、さまざまなリソースを集中させた組織なりよ。「コネクトカンパニー」の代表者にはソニー執行役副会長のハワード・ストリンガー氏と、同執行役専務の木村敬治氏が名を連ねるなど、ようやくソニーがこの分野に本腰を入れ始めたと、大きな期待を背負っていたなりね。

そして昨年11月、「iPod対抗機」を謳った新しいHDD搭載タイプの「ウォークマン」を発売。当初はデザインや性能に対する市場からの期待は大きかったなりが、本体とパソコンを繋ぐオーディオ転送ソフト「CONNECT Player」にたくさんの不具合が発覚したことで、ユーザーからの評価は急落。同時期にアップル・コンピュータからは小型の「iPod nano」やビデオ再生に対応した新しい「iPod」が発表されたことも逆風となり、「コネクトカンパニー」が肝いりで世に送り出した新しい「ウォークマン」は苦戦を強いられることになったなりよ。

朝日新聞によると、新しい「ウォークマン」の国内販売シェアは昨年11月が14%、年末商戦が盛り上がった12月は16%、年が明けた1月も15%にとどまっており、50%前後で推移しているアップル・コンピュータの追撃はおろか、早くも停滞状態に入ってしまっているなりよ。量販店に行けば、新しい「ウォークマン」発売以降も「iPod」のコーナーの大きさにさほど変化がないことに気が付くし、数字を見なくても実感としてソニーが苦戦しているのは伝わってくるなりね。

こうした状況を受け、ソニーは「コネクトカンパニー」のテコ入れを決定。組織名を「コネクト事業部門」に変更するほか、担当執行役(代表者)にデジタルイメージング事業本部長の中川裕氏が就任する人事が発表されたなり。また、コネクト事業部門長にはオーディオ事業本部長の吉岡浩氏が兼任することも発表され、従来型の音響機器畑のリソースを投入することで、技術力の底上げをはかる狙いがあるなりね。

子どもの頃から「ウォークマン」で育ってきたという人も多いだけに、ソニーから今の時代に合った魅力的な「ウォークマン」が登場するのを心待ちにしている人も多いはず。組織再編によって、「ソニーもやるな」とユーザーを唸らせるような製品を開発して欲しいものなり。

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