米映画界で話題の作品、ユタ州で上映中止に。

2006/01/10 02:16 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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Nary's Hollywood通信でも何度となく紹介している
「ブロークバック・マウンテン」(原題:"Brokeback Mountain")
。マッチョな世界であろうと想像されるカウボーイ社会で同性愛を描くストーリーなんですが、アカデミー賞の最強候補として絶賛されている作品です。

先に発表されたNY映画批評家協会賞では作品賞と監督賞および主演男優賞(ヒース・レッジャー)を、LA批評家協会賞でも最優秀作品賞を受賞。さらにアカデミー賞の直前に授賞式が行われる予定のゴールデン・グローブ賞でも、今年最多の7部門で候補に挙がるなど今現在、話題性では他の映画の群を抜いています。

しかしこの作品がユタ州のソルトレークシティにある映画館で上映中止になってしまったというのです。ユタ州といえばアメリカでもキリスト教(主にモルモン教会)が多く、保守的なことで有名な地域。同性愛なんて思いっきりご法度な社会です。そこにある映画館「メガプレックス」では、直前になって「予定変更のため『ブロークバック・マウンテン』は上映の予定がなくなりました。ご迷惑をおかけします。申し訳ございません」という張り紙がチケット売り場に貼られ、映画を楽しみにしていたお客さんをガッカリさせたそうです。

理由は映画館側が配給元のフォーカス・フィーチャーズに「この作品は『ライセンス契約に違反』している」ということなんですが、その違反とは一体何なのかは公にされていないとか。ま、いわずとも判りますけどね。

もちろんユタ州の保守派組織などはこの決定を歓迎しており、映画館側をバックアプ。対して同性愛の権利を求めて活動する団体は、「これだけ美しく、前評判が良くて映画賞も取っている作品を、個人的な偏見でユタ州の人々に見せないのは、残念なことだ」とコメントを発表して反発しています。

個人的には後者の同性愛支持団体をサポートするウォール真木。若手俳優の中でもセクシーなスターと騒がれている、ヒース・レッジャーとジェイク・ギレンホールが恋人同士を演じるだなんて、かなりググッとくるんですがねぇ……。

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