「ハリー・ポッター」作者、最終巻への心境を語る。

2005/12/28 14:23 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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スコットランドはエディンバラ。週70ポンド(日本円にして約14,000円)という、少ない生活保護金を受け取りながら子育てをする、ひとりのシングル・マザーがおりました。その彼女が生活費の足しにと児童小説を書き始めたのが1994年のこと。この作品は1997年に出版され、瞬く間にベストセラーとなりました。無名の新人の処女作品としては異例のことで、数々の文学賞も受賞して話題に。そして彼女はその後も同作品をシリーズ化。さらにそれが映画化されて、これまた大ヒットとなるなど、その人気は世界的な社会現象となりました。

……と、ここまで書けばもうピンとくる方も多いはず。あの「ハリー・ポッター」シリーズの作者、J・K・ローリングのことです。

ハリー・ポッター作品は今までに

第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」
(Harry Potter and the Philosopher's Stone)
第2巻「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
(Harry Potter and the Chamber of Secrets)
第3巻「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
(Harry Potter and the Prisoner of Azkaban)
第4巻「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
(Harry Potter and the Goblet of Fire)
第5巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
(Harry Potter and the Order of the Phoenix)
第6巻「ハリー・ポッターと謎のプリンス」』
(Harry Potter and the Half-Blood Prince

が出版されています(第6巻の日本語版は2006年の5月17日発売予定)が、ローリング本人によると次作の第7巻が、同シリーズの最終作品となる予定。すでに最終章のみ完成し、年明けの1月から本格的な執筆作業に入る予定なのだそうです。人気小説の「締めくくり」に相応しいストーリーにするために、彼女自身もかなり気合が入っているらしいのですが、ちょっと寂しい気持ちもあるようで……。

「このお話のクライマックスを皆さんにお届けするのが本当に待ち遠しくて、今すぐにでも執筆作業に入りたいのですが、その反面、これが終わってしまったらハリーとは『お別れ』になってしまいます。ハリーのいない生活なんて想像できません」

と公式サイトで作者が述べているように、その心境は複雑。確かに最初の「賢者の石」を書き始めたのが1994年のことですから、彼女自身10年以上もハリーというキャラクターと共に生活しているんですよね。

ちなみにこの第7巻の刊行予定はまだまだ未定。第5巻と第6巻がそれぞれ完成までに2年ほどかかっていますから、最終作品もそのスケールの大きさからして、来年以内に発表……ということは有り得なさそうです。さらにローリング女史の「別れを惜しむ気持ち」を考慮すると、もしかしたらもっと時間がかかるかもしれません。ファンとしては待ち遠しいですが、彼女の心境も理解できないワケではないし……。ありゃ、こっちも複雑な気持ちになってきた(笑)。

まぁ、せめてタイトルだけでも早めに知りたいですねぇ〜。

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