ハンティング中の悲劇、宙吊りになった男性を8時間後に救出。

2005/12/12 07:18 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカでは興味深いことに、シカや野鳥を刈るハンティングが「スポーツ」として認識されています。そしてちょうど今頃、秋から冬にかけての季節がハンティング・シーズンの真っ只中。狩る動物や地域によっても違いますが、それぞれにハンティングの出来る時期が細かく決められており、それが集中するのが11月から1月にかけての期間なのです。

ちなみにミズーリ州では、12月11日現在にハンティング出来るのはリス、ウサギ、カラス、七面鳥、シカ(アーチェリーのみ、ライフルは不可)などだそうです。

ところで、寒い季節と重なるハンティング・シーズン。シカなど警戒心の強い動物が現れるのを、野外で静かにじっくりと待たねばならないという、忍耐のスポーツでもあります。大体は森の中で見晴らしのよい木の上などに小屋を建て、そこから周りを見回しつつ獲物を待つのが常なんだそうですが、それでも寒いだろうなぁ……。まぁ、そこまでしてハンティングが好きってことなんでしょう。

さて、アーカンソー州にお住まいのレイボン・アップトンさん。彼も狩りが趣味で、たった1人ででも出かけていくことが多いそうです。先週もいつもの通りに地上から10メートルの高さにある「シカ狩り小屋」に身を潜め、獲物を待っていたそうなんですが……。

なにかの拍子に外に出たところ、小屋の木枠かなにかに足が引っ掛かり、さらにバランスを崩してしまったアップトンさん。あっという間に足が取られたまま、宙吊りになってしまったのだそう。自分ひとりでは起き上がることも出来ず、もちろん彼以外は人っ子一人いない森の中。助けを呼ぼうにも声は届きません……。

結局アップトンさんはそのまま8時間以上も宙吊りのままで、最後には「あー、このまま人生終わりかも……」と覚悟し、神様や家族に対してお祈りまで始めたそうです。

さて同じ頃、夕食の時間が過ぎても帰ってこないアップルトンさんを待ちわびていた奥さん。何だか妙な胸騒ぎを感じた彼女は、なんと自ら彼を探しに出かけたのです。夫婦の間に何かテレパシーのようなモノがあったのかどうかは判りませんが、奥さんのタミーさんが向かったのは、あのシカ狩り小屋……。

そして意識はあるものの、すでにグッタリとしている旦那様を発見。救急隊員を呼んで、無事アップルトンさんを助け出しました。凍傷、内臓損傷などがあったそうですが、命に別状はないそうです。

しかし奥さんが勘のよい人で本当に助かりましたねぇ。

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