アメリカにおけるマラソンとボランティア活動の関係。

2005/12/01 16:01 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


さて「メリケンな日常」でもお伝えしたとおり先週末、16キロ走に挑戦したウォール真木。無謀なチャレンジながら、何故か無事完走いたしました(涙)。さらにゴール地点でインタビューされ、翌日写真付きで新聞に掲載されちゃったりと、かなりネタ満載なイベントでございました。

ところでこの新聞記事の写真で、私をハイ・ファイブで迎えてくれている女性なんですが。一緒にランニング大会に出場したウォール真木の友人の同僚であります。この当日初めてお会いしたのですが、とっても気さくな人柄であっという間に友達になれました。

この彼女というのが、今までに何度もフル・マラソンを完走したことがあるランニングのエキスパート。とはいえ別にプロじゃありませんから、マラソンに向けてのトレーニングは一体どうやっているのかと疑問に思い、質問してみました。そうしたら彼女は "Team in Training"(TNT)というランナーのための団体に属しているとの答え。この団体、実はマラソンとファンド・レージングを合体させた面白いボランティア組織なのです。

どのように運営されているかといいますと、まずランナーは TNT が年4回オファーするトレーニング・プログラムに登録します。プログラムの最後には毎回国際レベルのマラソン大会が(ホノルル・マラソン、シカゴ・マラソン、ダブリン・マラソン等)スケジュールされており、これを目標にコーチ付きで練習に励むのです。

ところで登録者はマラソンの練習の他に、もうひとつ重要な義務があります。それは TNT が組織のミッションとして掲げる「白血病と悪性リンパ腫撲滅のためのリサーチをサポートする」という目標を、ファンド・レージングを通して助けること。要するにボランティア活動ですね。具体的にいうと、プログラムごとに決められた金額の募金を、友人や家族から集めることです。集められた寄付金は74%が医療リサーチに使われます。

ところでランナーが TNT から定められた金額を突破すると、なんと同団体からマラソン大会出場への旅費、宿泊費が支給されるという特典付きだというから驚きです。ボランティアをやっていながら、自分もトレーニングが受けられ、さらにマラソン大会もタダで出場できる……。うーん、楽しそうだ。

ボランティア活動というと、とかく「己を犠牲にしてするもの」というイメージがありますが、この TNT の運動は「どうせやるなら、自分たちもエンジョイ出来る活動を!」といった雰囲気です。なんだか、とってもアメリカっぽいコンセプトですねぇ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.