“イチロー発言”に監督・GMが放出要求、不要論も。

2005/11/22 09:09 Written by コジマ

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「危機的状況にある」と、2年連続最下位であるチームや監督への批判が波紋を呼んでいるシアトル・マリナーズのイチロー外野手。21日付のMAJOR.JPの記事によると、ニューヨーク・ヤンキースがマリナーズに対してイチロー外野手のトレードを打診し断られたことが報じられたけど、マイク・ハーグローブ監督とビル・ベバシGM(ゼネラルマネジャー)が球団首脳にイチロー外野手のトレードを要求していることが20日、米ニューズデー紙の紙面により明らかになったのだ。また、米スポーツ専門チャンネル「フォックス・スポーツ」のウェブサイトは21日、「今こそイチローをトレードに出すべき」との見出しで不要論とも取れる特集を組んだそうなのだ。日本人初の捕手の大リーガーとしてマリナーズへの入団に基本合意した福岡ソフトバンクホークスの城島健司捕手への影響も懸念される。

事の発端は、シーズン終了後、共同通信のインタビューでイチローが2年連続で最下位だったチームに対して「危機的状況である」とし、「チームに不満がある」と述べ、「試合前にトランプをしている選手がいるし、それをとがめるベテランもいない」と不快感を示したこと。前任のルー・ピネラ監督(現デビルレイズ監督)との関係は良好だったものの、自由な気風を好むハーグローブ監督と清貧を好むイチロー外野手との間には、シーズン中から確執があったのだ。このことから最近トレードの話で持ちきりになっているし、当のイチロー外野手も「私にとってシアトルは特別な場所。ここにいなければならない、ということではなく……ただ“特別”な場所なんです」と、シアトルという街は好きなものの移籍自体を否定しない発言をしているのだ。この“不用意な発言”が米メディアの格好の餌食となったのだ。

連日トレードの話が掲載されるようになり、「フォックス・スポーツ」のウェブサイトの特集では、もはやチームとイチロー外野手との亀裂は修復不可能とし、市場価値が下がる前にトレードに出すべきと論じているのだ。また、この特集記事を担当した同局のデイン・ペリー記者は、「シャープな打撃、真似できない守備、天才的な走塁は誰もが認めるように申し分ない。しかし、右翼手や左翼手に求められているのはイチローにないパワーだ」とし、「年俸1250万ドル(約14億8000万円)はイチローのプレーと釣り合ってない」と指摘している。まあ、この記者は日本人大リーガーに辛口なことで有名だそうで、これを真に受ける必要はないけれど、チームに批判的発言をしたイチロー外野手に対する米メディアの論調はおおむね厳しいようなのだ。

また、仲の良かったマイク・キャメロン外野手(現ニューヨーク・メッツ)の移籍やジェイ・ビューナー外野手とエドガー・マルチネス内野手が引退し、若返りを図るチーム内でも孤立しているようで、自ら招いた結果にせよつらい状況にあるのは間違いないのだ。

今回のヤンキースとのトレードは、オーナーの任天堂サイドの意向で破談になったけれど、今の状況を鑑みるに今後も予断が許されないだろうマリナーズに入団することになった城島捕手にとっても、この状況はあまり歓迎できるものではないだろうけど、城島捕手本人はイチロー外野手の発言に対して「間違ったことを言ってない」と擁護しているのだ。城島捕手の加入がイチロー外野手の追い風になればいいけど……。

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