F1予選のルール、来季から改正へ。

2005/10/26 09:05 Written by コジマ

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国際自動車連盟(FIA)は25日、かねてから提案していた自動車F1選手権の公式予選を3部に分けて勝ち抜く「ノックアウト方式」を来季から導入することに、全10チームの代表が合意したことを発表したのだ。これが正式採用されれば2003年以来4年連続の変更となるのだけれど、改正するたびに不満が続出するなど、暗中模索を続けていた予選方式の“最終案”となるのだろうか。

「ノックアウト方式」は、全20台で最初の15分に1回目の走行を行い下位5台が脱落、次の15分でまた下位5台が脱落し、最終的に10台でポールポジション(PP)を争う最終予選を行うという勝ち抜き方式。脱落する下位5台は、その時点でのタイムでポジションが決まるのだ。全員同じ条件のもとで行われるため、現在の方式で問題視されていた走行時の天候による有利不利の差は解消されるもよう。

F1の予選は、2002年までは土曜日だけ行われ、1時間12周のなかのベストタイムを競う方式だったのだ。これはぼくがF1に熱中していたころのルールでとてもなじみがあったのだけれど、03年から金曜日と土曜日で各1周してよりよいタイムを採用するという一発勝負方式に変更。04年には土曜日に1周を2回の方式に、今年は当初、土曜日と日曜日で各1周した合算タイムを競う方式となったのだけれど、第7戦欧州グランプリから土曜日の1周のみに変更されたのだ。

度重なる変更の原因となったのが、フェラーリのミハエル・シューマッハ選手がPPを独占するという状況だったのだ。現在のF1は、空力を重視するあまりにオーバーテイク(追い抜き)をかけることが難しくなったため、予選でのポジションがレース結果に大きく影響するので、この状況は非常に深刻だった。また、オーバーテイクの少ないレースは面白味にかけるためFIAはこの解消にやっきになっており、追い抜きがかけやすい分割ウイングのデザイン案を発表しているのだ。

サンケイスポーツは、佐藤琢磨選手(BARホンダ)について「前戦の順位で出走順が決まり、一発勝負となる予選では好タイムを出すにも限界があった。」とし、この「ノックアウト方式」の採用により有利になるだろう、としているのだ。琢磨選手が(来季に所属するチームのマシンにもよるけど)最終予選に残る確率は高いだろうけど、弱小チームにとって一発勝負には変わりなく、広告の露出も減るためスポンサーが離れ、弱いチームがどんどん弱くなっていくような気がする。個人的には、02年以前の方式に戻したほうがよいと思ってるのだけれど……。

そもそも予選が偏重されている現況はちょっと異常なのではないだろうか。やはり、オーバーテイクが頻繁に行われるようなマシンづくりを各チームも心がけて欲しいのだ。

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