「ライブ8」をDVD化、試写会も開催へ。

2005/10/22 13:54 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


今年7月2日に、日本を含む世界9か国で開かれた、音楽イベント「ライブ8」。新旧問わず超豪華なミュージシャンが集結したことが話題になったのだけれど、各会場のハイライト映像が11月9日に早くも東芝EMIからDVD化されるのだ。これに伴い、前日の8日に東京・有楽町の丸の内ピカデリー2で特別試写会が行われることになったのだそう。史上最高といわれるライブ映像を、大画面&最良の音響環境で観られるチャンスなのだ。

DVDは4枚組で、ロンドン公演のオープニング、ポール・マッカートニーとU2による「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」をはじめ、リチャード・アシュクロフトが共演したコールドプレイ、ピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ)が飛び入りしたエルトンジョンのステージなどが収録されているのだけれど、そのほとんどがロンドン公演とフィラデルフィア公演ばかりなのだ。この2会場以外は、ベルリン公演が5曲、トロント公演3曲、パリ公演2曲、ローマ公演、モスクワ公演、ヨハネスブルグ公演は1曲のみと、ほとんどが申し訳程度。特にヨハネスブルグのヴシ・マーラセラなんて、他の会場だったら絶対に収録されなかったのだ。東京公演(というか会場は千葉県だけど)はマクフライ、 グッド・シャーロット、ドリームズ・カム・トゥルー、ビョークの4組が1曲ずつ収録されているのだけれど、特典的な4枚目にまとめられているのだ。白人以外の出演者が少ないという批判を避けるために英コーンウォールで行われた「Aflican Callint」は、今回選曲の対象にはならなかったもよう。まあ、「ライブ8ではない」からなあ。全収録曲はこちら

こう見てみると、あらためてライブ8を9カ国で行ったことに疑問が浮かんでくるのだ。「アフリカの貧困撲滅」を世界に訴えたいのなら、ロンドンとフィラデルフィアの話題性で十分だったのではないかと。東京公演は以前紹介したように募金を行った人が抽選で招待されたのだけれど、定員2万人の半分も埋まらなかったらしいし。

結局、7月6日に英スコットランドで行われた主要8カ国首脳会議(G8サミット)で、アフリカなど最貧国18カ国が国際通貨基金(IMF)、世界銀行グループの国際開発協会(IDA)、アフリカ開発銀行グループのアフリカ開発基金(AfDF)に対して抱える債務を、全額帳消しにすることが決定されたし、主催者のボブ・ゲルドルフと盟友ボノ(U2)が各国首脳と会談できたし、ホワイトバンドは売れまくったし、イベントは成功裏に終わったように見える。けれど、600ポンド払って最前列のVIPエリアに入場したセレブリティたちの振る舞いへの不満がゴシップ誌で噴出してたし、「アフリカを救う」という絶対的正義の(ように見える)お題目に、ロック・ミュージシャンが簡単に乗っかった姿への批判もあちこちから聞こえてきたのだ。ロッキング・オンの山崎洋一郎編集長曰く「正義かどうかということより、ロックがロックとして、その状況に向き合うべきだと思う。音楽が音楽としてやるべきことはいくらでもあると思うよ」(ロッキング・オン9月号)。まさにその通りなのだ。

しかし、一度にこれだけのミュージシャンが同じステージに立つなんて二度とないと思うし、単なる音楽フェスティバルとして見ればとても面白いものだったのではないかと。BBCのサイトで無料公開されていた映像を見たときも、スカイパーフェクTVで放送したハイライト集を見たときも、ぼくは確実に興奮していたし。存在が最高にロックしているピート・ドハーティとエルトン・ジョンの共演は、いろんな意味で必見なのだ。

DVDは4枚組で初回特別価格9990円、通常価格12600円で販売される。また、DVD発売の前日に行われる試写会に抽選で250組500名が招待されるのだ。申し込みは東芝EMIの公式サイトの応募フォームから。締め切りは今月31日の午後6時なので、大画面で、しかもタダでライブ映像を観たい人はお早めに。詳細は以下の通り。
場所: 東京・有楽町 丸の内ピカデリー2
日時: 2005年11月8日 21時10分開場 21時40分上映開始(23時頃終演予定)

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.