USENのネット放送「GyaO」、会員300万人でも赤字続く。

2005/10/21 15:46 Written by コ○助

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有線放送の大手USENが今年4月にスタートさせた無料ブロードバンド放送の「GyaO」。月額料金やコンテンツごとの課金が一般的だったそれまでの動画配信サービスとは異なり、テレビと同様、番組の合間にCMを流すことで視聴者は無料で番組を楽しむことができるなりよ。他社のコンテンツを配信するだけでなく、自前の番組を制作して放送するなど非常に意欲的なサービスなりが、20日に発表されたUSENの8月期決算の中で、その収益状況が明らかとなったなり。

「GyaO」の放送を楽しむためには無料の会員登録をする必要があるなりが、その数は宇野康秀社長曰く「近く300万人を超える」勢い。まだサービス開始から半年しか経過していないことを考えれば、相当な数の登録者を抱えていることになるなりね。また、宇野社長は「想定以上の登録者数を達成できた」とも語っているなりが、それもそのはず。サービス開始前の事業計画では、2006年度中に400万人の視聴者を確保するとの見込みを立てていたなりよ。今の勢いならば、ひょっとすると2005年度中に400万人は超えてしまうかもしれないなりね。

ただ、収益のほうはコンテンツの調達費がかさんでいることが影響して赤字のようなり。2005年度は5〜10億円、2006年度は40億円の赤字になる見通しのようで、まだまだ「『GyaO』で儲ける」というレベルには程遠いのが現状なりね。まあどの動画配信サービスも思ったほどの収益が上げられずにコンテンツの整備が立ち後れている中、積極的に先行投資をして魅力的なコンテンツを揃えようとしている姿勢は素晴らしい点。損益分岐点をどのあたりに設定しているのかは分からないなりが、他社の追随を許さない圧倒的な数の会員を抱えたときに、一気に収益構造が改善される可能性はあるので、「GyaO」の成功はUSENの体力がどこまで持つかにかかっていると言えそうなり。

さて、コ○助は4月に会員登録を済ませて以来、ずっと「GyaO」をチェックしていなかったので久しぶりに見てみることに。例えば映画だと「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督)や「少林サッカー」(チャウ・シンチー監督 ※公開終了)などが公開されているほか、ドラマでは「冬のソナタ」や「秋の童話」などの韓国ドラマに加え、これはドラマでは無いなりがマイケル・ムーア監督の「元祖! アホでマヌケなアメリカ白人」もラインアップされているようなり。アニメでは「タイムボカン」シリーズに「ハクション大魔王」、「ジャングルの王者ターちゃん」、「けろっこデメタン」、「みなしごハッチ」などなど。TBSのニュース番組などもあるなりね。

サービス開始時に比べたらコンテンツが充実しているのは間違いないなりが、まだまだマイナー感漂うコンテンツがほとんど、というのが率直な感想。今秋以降、テレビ各局が自前での動画配信サービスを本格化させていくだけに、「GyaO」がさらなる成長を遂げるにはテレビ局以上に魅力的なコンテンツの整備が急務なりよ。自前で番組を制作するためにエイベックスやGAGAといった企業を傘下に収めているとはいえ、コンテンツ制作力ではテレビ局のほうに一日の長があるだけに、どこまでテレビ各局の追い上げに耐えられるのか、不安なところではあるなり。

まだまだネットの動画配信サービスは未成熟。この市場を積極的に切り開いていく開拓者として、「GyaO」にはまだまだ頑張って欲しいものなり。

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