吉野家が「豚丼」を値上げ、松屋は「牛めし」値引きで攻勢。

2005/09/30 13:26 Written by コ○助

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米国産牛肉の輸入禁止以降の牛丼チェーン同士の攻防については、これまで何度も語られてきたので特に新味のある話題では無いなりが、久しぶりに大きな動きがあったのでご紹介しておくことにするなりね。以前は「定食メニューは導入しない」と公言していた時期もあった吉野家も、苦境の中で提供を開始した「牛焼肉定食」や「豚生姜焼定食」が今ではすっかり定着して売り上げに貢献しているなりが、本来の主力商品である「牛丼」の代替えメニューの「豚丼」は相変わらず微妙なポジション。そこで「豚丼」に「ちょっぴりぜいたくなタレ」を導入することを決定し、「豚丼」の価格を10月1日から10円値上げすることになったなりね。これまで「外食デフレ」の象徴でもあった吉野家が基幹商品の一律値上げに踏み切るのは15年ぶりとなるなり。

新しい「豚丼」のタレは、吉野家の説明によると「牛丼で目指してきた何度食べても飽きないうまさを、豚丼でも実現するべく研究を続けてきた結果、たれの味に熟成を重ねて作り上げた自信作」。吉野家の公式ページに掲載された「予告」には「このうまさには、10円以上の価値がある。私たちは、そう信じます」とのコピーが付いているなりが、値上げする金額は10円なりからね。改良を謳う以上、10円くらいの価値がなくてどうするなりか(笑)。値上げ後の「豚丼」の価格は、並盛りが330円、大盛りが430円、特盛りが530円。

ただ、タレを改良するのはなにも吉野家だけでは無いなりよ。ライバルの松屋も9月8日からタレと調理法を見直した「新作 牛めし」と「新作 豚めし」を投入。それに合わせて、従来の価格よりも10〜40円の値下げに踏み切っているなりね。「新作 牛めし」は並盛りが350円、大盛りが450円。「新作 豚めし」は並盛りが280円、大盛りが380円なり。吉野家には吉野家の良さが、松屋には松屋の良さがあるので単純に価格で比較してしまうのは可哀想な気もするなりが、吉野家の「豚丼」と松屋の「豚めし」の価格差は50円。消費者がこの価格差をどう判断するかは、今後の両社の業績を見れば自ずと見えてきそうなり。

ちなみに、松屋はさらなる攻勢をかけるべく、9月30日から10月7日までの期間限定で、「新作 牛めし」を大幅に値下げし、「豚めし」と同レベルの並盛り280円、大盛り380円で提供するキャンペーンを実施するなり。いかに「豚めし」の味を改良しようとも、「牛丼」「牛めし」に対するニーズは依然として強いだけに、吉野家の新しい「豚丼」販売の出鼻をくじくには十分に威力のあるキャンペーンになりそうなりね。

業績が回復しかけている吉野家は、松屋の攻勢の前に屈してしまうのか。はたまた新しい「豚丼」がヒット商品に成長するのか。まだまだ牛丼チェーンの攻防から目が離せないなり。

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