「チャーリーとチョコレート工場」会見にジョニー・デップらが出席。

2005/09/08 09:13 Written by コジマ

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10日から全国公開される映画「チャーリーとチョコレート工場」で主演のジョニー・デップとティム・バートン監督、プロデューサーのリチャード・D・ザナックが、4日に東京・日比谷の帝国ホテルで行われた記者会見と5日に東京・六本木の六本木ヒルズアリーナで行われたジャパン・プレミアに出席したのだ。ジョニー・デップは10ぶりの来日とあって、記者会見には1000人を超すマスコミ関係者と会場周辺に多くのファン、ジャパン・プレミアには1500人を超すファンが詰めかけたのだそう。

「チャーリーとチョコレート工場」は、ロアルド・ダールの世界的ロングセラー児童書「チョコレート工場の秘密」を映画化したもの。ストーリーは、失業中の父、母、そして寝たきり祖父母の6人と貧しい生活をしているチャーリー・バケット少年(フレディ・ハイモア)の家から“石を投げて届く距離”にあるのは、世界一のチョコレートをつくるチョコレート工場。15年間誰も出入りしたことがない謎に包まれた不思議な工場なのだけれど、ある日、工場の経営者ウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)は、チョコレートのなかに入っている“ゴールデン・チケット”を引き当てた5人にだけ、特別に工場の見学を許可する、という声明を発表した。そして1年に1枚しかチョコレートを買えないチャーリーも、奇跡的に幸運のチケットを手にし、晴れて工場へと招かれるのだが…、というもの。映画化は1971年の「夢のチョコレート工場」(メル・スチュアート監督)に続いて2度目なのだ。

この日のジョニー・デップは、茶色のポロシャツにジーンズ、レジャージャケットを羽織って腰にはシャツを巻き、頭にはカウボーイハットという出で立ち。1990年の「シザーハンズ」以来、「エド・ウッド」(1994)、「スリーピー・ホロウ」(1999)に続いて4度目の共演となるティム・バートン監督との関係について、「ぼくらの関係には完璧な深い信頼があるんだ。彼のことは心から信頼しているよ。それに彼とは楽しい時間を過ごすことができるんだ。あるシーンを撮るときには、そのシーンのあらゆる可能性を二人で話し合いながら撮影するんだ」とし、監督は「会うたびにすごい役者になっていたんだ。いつも変なコスチュームを着て、色々なことを考えて不思議な演技をする俳優で、そんなところがたまらなく好きだね」と相思相愛ぶりを披露。

世界的に有名な児童書を映画化することに対するプレッシャーについては、「ぼくはそんなにプレッシャーは感じなかったけれど、ロアルド・ダールの意図をしっかりと映画化するという責任や、彼の描いたキャラクターを忠実に演じることに責任があると思っていたよ。彼の家族への責任も感じたね。みんなはこの作品を理解し、ジョークも笑ってくれた」(ジョニー・デップ)、「私の仕事はティムにプレッシャーがかからないようにすることだった。それが今回、私の一番重要な役目だったし、スタジオや出資者からできるだけ彼らを遠ざけて、ティムの想像力豊かな、望み通りのものがつくれるように彼を守ることが私の任務だったんだ」(リチャード・D・ザナック)としている。

また、巷で「2001年:宇宙への旅」(スタンリー・キューブリック監督)を彷彿させるといわれているオープニングについて、ティム・バートン監督は「キューブリックは素晴らしい監督だから、もちろんオマージュなのだけれど、あのシーンは自然とそうなったんだ。あの場面のセット、白いテレビルームを作ってみたら、それが『2001年:宇宙の旅』を思い起こさせるセットで、そこに音を入れたら宇宙船の中にいる感じがしたよ。すぐに『2001年:宇宙の旅』のシーンが思い浮かんだし、モノリスが板チョコの形と同じだった。だから工夫したわけではなく自然にあの場面が誕生したんだ。でもテスト試写で子供たちから『この映画はとても良かったけれど、猿が出てくる場面はウソっぽくていまいちだった』って批評を言われたよ」と、偶然の産物だったことを主張しているのだ。

ウォンカ役を演じるに当たって、ジョニー・デップは「ウォンカというキャラクターを自分の中でしっかりと見つけて、固めてしまえば後は楽だったよ。色々な要素を組み合わせて人物像をつくるのだけれど、今回はウォンカはどういう男で、どんな背景があるのかをティムと話し合ったことがとても助けになった」とし、役づくりは「子供番組の司会者のように変なリズムでおかしな話し方にしようという基本があって、クイズ番組の司会者」をもとにしたのだとか。ぼくは、ジョニー演じるウォンカを見るとホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトを思い起こしてしまうのだけれど。ウォンカの魅力については、冗談まじりに「わからないな。第一彼が魅力的がどうかもわからないね」としているのだ。

お気に入りのシーンは、それぞれ「あえて言うならリスのシーンかな。僕はリスが苦手だから、自分の恐怖心を拭い去るためにもあのシーンは印象的だったよ」(ティム・バートン監督)、「撮影で思い出に残っているのはティムがぼくたちをガラスのエレベーターに閉じ込めて、100フィート宙吊りにしたこと」(ジョニー・デップ)、「ジョニーが始めてウィリー・ウォンカとして登場するシーン」(リチャード・D・ザナック)を挙げている。うーん、早く観たくてうずうずしちゃうのだ。

「続編はあるのか」という質問に対してリチャード・D・ザナックは、スタジオが版権を持っているので彼ら次第としながらも、「今まで続編をつくった経験から、第一作のレベルまでいくことが難しくて、上手くいくということはとても珍しいケースなんだ。ただしティムとジョニーから本当に素晴らしい脚本が出来上がってきたら考えたいと思うよ。この1作でも十分成立していると思うけれどね」と続編そのものに対して否定的、今回の完成度を高く評価しながらも、可能性は否定していないのだ。

ジョニー・デップとティム・バートン監督は、10月公開予定のアニメ映画「ティムバートンのコープス ブライド」でもコンビを組んでおり、初のアフレコだったジョニーは「素晴らしい体験だったよ」、「俳優としては声だけの演技だからアクションが全くなく、空気のなかから演技を引き出すような感じだったけれど、今まで経験したことなかったから面白かった」と、かなり興奮したようす。監督は「2本の映画を同時につくったから精神分裂症っぽくなったけれど、両方にジョニーが出てくれて本当に有り難かった。彼は1日中ウォンカを演じて、それが終わって子供たちが帰った後アフレコをやったんだ。2人とも一緒にいたから便利だったけれど、やはり大変だったね」と、相当キツかったみたいなのだ。

また、ポルノ作品と噂される次回作について、ジョニー・デップは「本当だよ。お金もいいらしいから」と発言。関係者が慌てて「すべてジョーク」と否定するのを笑って見ていたそうなのだ。

「チャーリーとチョコレート工場」は10日から公開で、公式サイトでは今回の記者会見の全質疑応答や予告編の視聴、14種類の壁紙やスクリーンセーバーなどがダウンロードできるほか、「MovieWalker」、「Movie@nifty」、「ShowTime」、「So-net CineSmart」、「TSUTAYA online」の各サイトと連動してキャンペーンを実施。各サイトではゲームなどができるほか、公式サイトの「ウォンカのチョコレート工場見学ツアー」に参加できるゴールデンチケットが隠されているのだとか。こちらも面白そうなのだ。

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