インデックス、ナムコ傘下の映画会社「日活」を買収。

2005/09/07 13:30 Written by コ○助

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ブロードバンドコンテンツの拡充を推し進めるUSEN(旧有線ブロードネットワークス)が、豊富な映画資産を手に入れるべく日活の買収に乗り出しているのが明らかになったのは今年4月のこと。USENは昨年9月には音楽大手のエイベックスの筆頭株主となり、資本・業務提携を結んだほか、同じく10月には洋画配給大手のギャガ・コミュニケーションズを子会社化するなど積極的にコンテンツの確保に動いており、日活に関しても、当初は今年5月末をめどに親会社のナムコとの間で合意に達する……はずだったなりね。

ところが、USENに買収されることに猛反発したのが日活の労働組合。日活に新しい資本が入ることに対しては柔軟な姿勢を持っていたものの、どうにもUSENに買収されることだけは納得がいかないと、反対の姿勢を打ち出したなりよ。買収に反対していたのは日活の全社員の8割、部課長も含めて200名近く。その理由は「財務状況と企業体質を独自に調査した結果、USENによる買収は日活にとって良いことではないと判断したから」。具体的に「なぜUSENが問題なのか」の例としては「残業代不払いの訴訟が起きている(現在も係争中)」「残業代不払いは常態化している可能性が高い」「公正取引委員会による排除勧告を受けるなど、USENは違法体質の企業」などを挙げていたなり。

結果として、USENは「日活従業員の反対を押し切って強引に買収しても相乗効果が見込めない」と判断。最終的には8月に買収を白紙に戻すことを決定し、ナムコも新たな売却先を見つけるべく動き始めたわけなり。そして新たに合意に達したのがインデックス。主に携帯電話向けコンテンツを手がけている大手のインデックスなりが、最近はテレビ局との提携を進めるなど映像コンテンツに対する関心が高く、日活の買収によってコンテンツの充実がはかれると判断したなりね。買収価格は40〜50億円になる見込み。

インデックスは日活を買収することで、具体的には「日活の映像資産を、ビデオ・オン・デマンド事業を行っているインデックス子会社ネオインデックスへの提供」「新進気鋭の監督を起用して、現在の世相、マーケットにあった作品の企画を順調に進められるような映画製作ファンドの推進」「テレビやモバイル、インターネット、紙メディアも用いた連動企画」「映像資産を活用したヒットコンテンツの創出」「アジア、北米、ヨーロッパへの日活作品の配給、ライセンスビジネスの強化、海外映画スタジオ との提携も視野」と、さまざまな展開を想定しているなりね。一大メディア企業へと成長を遂げているインデックスなので、きっと日活の魅力を大いに引き出してくれる、良きパートナーになると考えて良さそうなり。

ナムコとインデックスの間では正式に合意に達しているので、これで日活をめぐる一連の騒動は決着。日活は映画製作に注力して、今後も日本映画界の一翼を担うべく、優良な作品を世に送り続けて欲しいものなり。

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