ドイツの老人が女性に暴力を振るった理由は、「タオル」。

2005/08/25 10:55 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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以前イギリスに住んでいた頃、何故かよく耳にしたのが「ドイツ人とタオル」という話題です。なんでもイギリス人の知人たちが申すには、彼らがバケーション先で日光浴を楽しもうとプールサイドやビーチに出かけると、いつも日当たりの良い所にはタオルが置かれて「場所取り」がされており、大変悔しい思いをするのだとか。

このタオルの持ち主はドイツ人観光客。「やつらはテリトリー意識が強いから、それこそ早朝からタオル片手に駆け足で場所取りしてるんだ!」と、イギリス人たちはご立腹。しかしウォール真木はイギリスに引っ越すまでそんな事見たことも聞いたことも無く、多分イギリス人がドイツ人に対して持つステレオタイプなんだろーなーと思っていたのです。

ところが、ドイツ人が場所取りにタオルを使う……というのは本当らしいのです。実際今年の8月には、このタオルによる「テリトリー宣言」は合法なのかどうか?という問題にあるドイツ法律家が「違法」だという見解を示し、イギリス人には拍手喝さいを浴びたとか。うーん、文化的な違いもあるんでしょうが、そこまでケンカ腰になることかって気も(汗)。

何はともあれ、このタオル。ご当地(?)ドイツでとんだ事件を引き起こしてしまったらしいのです。ドイツ中部のバッド・エンドバッハという町で、76歳のご老人がお気に入りのデッキチェアにタオルを置いて席を外しました。彼にとってこのタオルは「この椅子は俺のもの」というステータスを示すもの。水戸黄門の印籠よりもパワーがあります。いかなる者もこのデッキチェアに触れてはならぬ!

ところが。

ご老人が席に戻ったところ、なんとそのタオルが動かされ、「彼の」椅子には見知らぬ若い女性が座っていたのです。女性は自分の母親の隣に座ろうと、彼のタオルを別の椅子(デザインまったく同じ)に移動させたのですが、これに男性が激怒。女性を罵り、デッキチェアから立ち去るように要求します。

しかし女性としてはそんな要求をされる筋合いもないと感じ、これを無視。すると今度は男性が椅子ごと女性をひっくり返してしまったそうです。実力行使ですなぁ。でもそんな無理は体によくないよ、ご老人……。

男性はこの暴行行為で警察に通報されてしまったそうで、その後頭を冷やして反省しているのか、それともいまだに「タオルの権力」を信じて疑わないのか。さて、どっちでしょうねぇ?

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