ベーカリーチェーン「アンデルセン」のこだわりと経営姿勢。

2005/08/21 19:40 Written by コ○助

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全国に78店舗を展開している人気ベーカリーチェーンの「アンデルセン」。「ドンク」や「ポンパドウル」、「サンジェルマン」「神戸屋」といった強豪がひしめくベーカリーチェーンの中でも、とりわけ高い人気と安定した評価を獲得しているなりよね。コ○助も渋谷の東急百貨店東横店や六本木ヒルズ店、あとはパンのソムリエ「ブレッドマスター」が常駐する表参道そばの青山アンデルセンあたりを利用することが多いなりが、味に関してはもっと美味しいベーカリーはあるものの、そのパンの種類が豊富なので、店でパンを選んでいるときにキョロキョロとするのが楽しいなりよ(笑)。チェーンの中では、「神戸屋」と並んで好きなお店なりね。

とはいえ、普段から「アンデルセン」を利用しているわりに、「アンデルセン」がどのような会社なのかをよく知らずにいたなりよ。そのパンを美味しく食べていても、会社としてのこだわりや経営姿勢にまではなかなか興味が至らないものなりが、ちょうど19日付けの日経流通新聞に「アンデルセン」を紹介する記事が出ていたなりね。これがなかなか面白い内容だったので、要点をまとめて見ておくことにするなり。

・昨年二月、広島県北広島町の牧場だった土地を取得。社員が手作業で開墾し、小麦畑「芸北百年農場」をオープン。パン作りの原点を学ぶ社員教育施設とする。
・デンマークに徹底的にこだわる。これは1959年、創業者の故・高木俊介氏がデンマークのコペンハーゲンで食べたデニッシュペストリーに惚れ込んだのが「アンデルセン」の原点だから。来年にはデンマークに1号店を出店予定
・2002年には有名チョコレート職人のジャン・ポール・エヴァン氏と提携、専門店を東京や広島など4か所に出店。
・2002年から老舗和菓子店の虎屋と提携、広島アンデルセンで虎屋のあんこを使ったあんパンを限定販売。
・フランスの三つ星シェフとして有名なアラン・デュカス氏と提携し、来春にも都内に本格フランスパンベーカリーを出店。
・上場は検討していない。「株主への短期的な利益貢献を気にせず、『小さな会社』に徹して顧客と従業員の顔を見やすくする」が経営理念。目指しているのは欧州の小国であるデンマークにあるような「スモールカンパニー」。

もちろん、ほかの大手チェーンもいろいろな信念や経営理念を持って展開しているはずなりが、「アンデルセン」にはこんなこだわりがあったなりね。ジャン・ポール・エヴァン氏、アラン・デュカス氏、虎屋といった著名職人や著名店がタッグを組んだ理由も、「アンデルセン」の並々ならぬこだわりが少なからず影響しているようなりよ。個人的にはアラン・デュカス氏との提携によって誕生するベーカリーが楽しみで仕方ないなり。

ちなみに、デンマークとの繋がりは単に「アンデルセン」の片想いというわけではなく、「アンデルセングループのあゆみ」を見てみると、デンマーク側からのアプローチも結構あるようなりよ。

[アンデルセンとデンマークの関わり]
1959年9月 創業者高木俊介(当時社長)初の欧米視察、デニッシュペストリーとの劇的な出会い。
1981年4月 デンマーク王国マルグレーテ2世女王陛下並びにヘンリック殿下、広島アンデルセンご来訪。
1984年4月 創業者高木俊介(当時会長)がデンマーク王国よりダンネブローク騎士勲章を拝受。
1986年3月 創業者高木俊介(当時会長)、デンマーク王国より中国地方4県における名誉領事に任命される。
1987年11月 デンマーク王国皇太子フリデリック殿下、広島アンデルセンご来訪。
1992年6月 高木誠一副社長(当時)、デンマーク王国より新名誉領事に任命される。
1995年10月 デンマーク王国ベネディクト王女、青山アンデルセンをご訪問。
2001年5月 高木誠一社長がデンマーク王国よりダンネブローク騎士勲章を拝受。
2006年 デンマークの首都コペンハーゲンに「アンデルセン」1号店オープン予定。
※「アンデルセングループのあゆみ」より

これだけデンマークの精神を芯に持ち、デンマークに強い想いを抱いている「アンデルセン」なりが、実際に「アンデルセン」の店舗に行ってもデンマークのパンがメインなわけではないし、あまりデンマークを感じることは無いなりよね。実は、その点に関しては「アンデルセン」は「経営理念のデンマークを知って欲しい気持ちはあるが、それを押しつけては消費者に支持されない」との理由で、創業の地である広島アンデルセン以外の店舗では、あえてデンマークを感じさせない仕掛けをしているというなりよ。その分、広島アンデルセンでは、デンマークのブランドである「レゴ」やオーディオの「バング・アンド・オルフセン」などの商品も販売するこだわりを見せているのだというなり。

何気なく利用していた「アンデルセン」の経営理念を垣間見たことで、これから少し見方が変わっていきそうなりよ。大手のチェーンでも、こういうこだわりを持ったチェーンだと、好感が持てるなりよね。より魅力的なパンを提供できるよう、「アンデルセン」には頑張って欲しいものなり。

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