USEN、労働組合の反発で日活の買収を断念。

2005/08/14 10:06 Written by コ○助

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4月にスタートさせた映画やアニメ、ニュースなどのコンテンツ視聴料が無料のブロードバンド放送「GyaO」のコンテンツ整備のため、昨年9月には音楽大手のエイベックスの筆頭株主となり、同10月には洋画配給大手のギャガ・コミュニケーションズを子会社化するなど、積極的な動きを見せているUSEN(旧有線ブロードネットワークス)。さらなるコンテンツ獲得のために、今年4月、ナムコ傘下の映画制作会社の日活を買収すると表明していたなりが、日活の労働組合の激しい反発にあい、買収を断念せざるを得なくなったなりよ。

日活の労働組合が反発していた理由は「財務状況と企業体質を独自に調査した結果、USENによる買収は日活にとって良いことではないと判断したから」。日活に新しい資本が入ることに対しては柔軟な姿勢を持っているものの、あくまでも相手がUSENである点が、労働組合にとってはどうしても許容できないところだったなりね。具体的に「なぜUSENが問題なのか」の例としては「残業代不払いの訴訟が起きている(現在も係争中)」「残業代不払いは常態化している可能性が高い」「公正取引委員会による排除勧告を受けるなど、USENは違法体質の企業」などを挙げているなり。

こうした状況を受け、USENは「日活従業員の反対を押し切って強引に買収しても相乗効果が見込めない」と判断。最終的には買収を白紙に戻すことを決定したなりよ。労働組合の公式ホームページによると、日活の全社員の8割、部課長も含めて200名近くがUSENによる買収に反対しているのだとか。確かに、それだけ社員から歓迎されない買収だったら、大金を投じても見合うだけのバックが得られるとは考えにくいなりよね。

日活は1912年に創業され、1960年代前半には石原裕次郎、吉永小百合、赤木圭一郎、小林旭などなど、キラ星の如くスターを生み続けた老舗の映画制作会社。「にっかつロマンポルノ」に代表される成人映画や、ナムコ傘下に入ってから制作された映画作品を合わせると、約7,000本もの映画資産を保有していると言われているなり。USENは日活を買収することで、この豊富な映画資産をブロードバンド放送などに利用したい考えだったなりね。

最近は話題作の制作・配給も増え、凋落していた時期に比べるとだいぶ業績も回復している様子。日活の労働組合はUSEN以外だったら売却先として認める構えのようなので、より日活の魅力を高められるような相手が見つかると良いなりね。日本の映画界を元気にさせるためにも、社員のモチベーションを上げるような資本注入になって欲しいものなり。

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