阪神の金本外野手が1000試合連続出場達成。

2005/08/12 09:17 Written by コジマ

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阪神の金本知憲外野手が、11日にナゴヤドームで行われた中日との15回戦でプロ野球史上7人目となる1000試合連続出場を達成したのだ。37歳になる同外野手は、記録だけにこだわるようなお情け出場ではなく4番として出場、貫禄の2本塁打でこの大記録に自ら花を添えたのだ。また、プロ野球記録を更新中の連続試合フル出場も855に伸ばしたのだ。

歴代の連続試合出場ベスト10を挙げてみるのだ(球団名は記録達成時の所属)

 1 2215 衣笠祥雄(広島)
 2 1250 松井秀喜(巨人)
 3 1246 飯田徳治(国鉄)
 4 1180 広沢克実(巨人)
 5 1143 松井稼頭央(西武)
 6 1014 藤村富美男(阪神)
 7 1000 金本知憲(阪神)
 8  894 石嶺和彦(阪神)
 9  890 大杉勝男(ヤクルト)
10  882 三宅秀史(阪神)

金本外野手は2004年8月1日、連続試合出場10位の三宅秀史氏(元阪神)が作った700試合連続フルイニング出場を抜いた。このときは同年7月29日の中日戦で手首に死球を受け、満足にバットを振れない状況での出場だったのだ。三宅氏の記録が途切れたのは、試合前の練習中でキャッチボールをしていた小山正明氏の球が左眼に当たってストップ。そのため1.5あった視力が0.1にまで低下。以降、目立った活躍はできずに5年後の1967年に引退したのだ。

連続試合出場や連続フルイニング出場は、結果を残さなくても記録が継続されていく。つまり、活躍しなくても試合にさえ出ていれば達成できるものなのだ。しかも、記録を重視するためムリをし、結果、三宅氏や元近鉄他の石井浩郎氏(連続4番打者出場記録更新のためケガをおして出場、以降、別人のように打力が落ちる)などのように選手生命までも縮める。記録あまり感心できる記録ではないのだ。

しかし、金本外野手は他の選手のものとは意味合いが違うのだ。広島時代の1998年7月10日のヤクルト戦を皮切りに達成した金本外野手の記録は、常に主軸として出場するという内容の濃いもの。首位攻防戦第3ラウンドだった11日も、阪神戦通算18勝9敗と大きく勝ち越している中日、いやセ・リーグのエースともいうべき川上憲伸投手から2本塁打を放っている。常に攻撃の起点となり、今岡誠内野手が今季キングに向けて独走の98打点(11日現在)を記録しているけど、本人も常に「金本さんのおかげ」と言っているように、金本外野手の存在が現在の阪神の強さと言っても過言ではないのだ。

金本外野手が阪神に移籍してチームにとって一番大きかったことは、その野球に対する姿勢なのだ。彼のようなベテラン選手が、某球団の選手のように毎日飲み歩くようなことをせず、ひたむきに練習に打ち込む。かといって広島の前田外野手のように「自分、不器用ですから」みたいな態度ではなく(いや、前田外野手は大好きなのだけれど)、みんなから「アニキ」と慕われるそのキャラクターで、その効果はチーム全体に波及しているのだ。その金本外野手の連続試合出場には、後進に背中を見せているという意味でとても大きいのだ。

これからも、主軸として記録が伸びていくこと、いや、ケガをしないで選手生命を全うすることを、平成の鉄人に期待するのだ。

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