ランス・アームストロング、強靭な体力の秘密とは。

2005/07/25 12:17 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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自転車ロード・レースとして世界最大といわれるツール・ド・フランス。これは1903年から行われている由緒あるレースで、距離約3000km、山岳地帯を含むコースの高低差役2000m、レースの全日程が3週間以上と……、これら数字を見てもその規模の大きさが簡単に想像出来ますね。

さて、このツール・ド・フランスの今年度大会で、見事前人未到の7連覇を達成したランス・アームストロング。日本でもニュースで話題騒然かと思います。7連覇という競技上の記録を見るだけでも彼の偉大さは隠しようがありませんが、それ以上にアームストロングが驚異的なのは他にも理由があります。生存の可能性は少ないといわれるガンに侵されながら見事回復し、さらにその後競技者として華々しいカムバックを果たす。まるで小説の話のようですが、アームストロングは本当にそれをやり遂げた奇跡の人でもあります。

ところでガンの治療に使われる化学療法には、副作用として吐き気や疲労感などが伴うそうです。でも、そんな体の不都合と戦いつつもアームストロングはトレーニングを欠かさなかったといいます。ガンと闘い、さらにアスリートとして訓練を続ける……。この超人的な体力の秘密は一体どこにあるというのでしょうか?そう思っていたところ、先日CNNで、その答になるような内容が流れていました。アームストロングの身体的特徴を語る短い特集です。

それによると、アームストロングの心臓は平均的成人男性と比べるとその大きさが1.3〜1.4倍あり、さらに平常時の心拍が毎分32ほどしか無いのだとか。心拍数が少なければそれだけ1回で送り出せる酸素の量が多くなり、効率も良くなるってことですね。その酸素を取り込む肺も、彼の場合は平均よりも倍近い働きがあるのだとか。

さらにアームストロングの鍛え抜かれた筋肉は、筋肉疲労や筋肉痛の原因となる乳酸が蓄積しにくくなっており、さらにそれを代謝する働きも人並みはずれているそうです。このおかげで疲れることなく長時間、激しく体を動かし続けることが出来るのです。

ところでアームストロングの走法は、低いギアでペダルを高回転させるスプリント走法。自転車レースの選手たちは普通、登り道を高いギアでゆっくりと足を回転させて走ります。ところが、アームストロングは急な上り傾斜だろうがなんだろうが、信じられない速度で持続的に足を動かすことが出来るのだそうです。なんでも彼の大たい骨の長さにこの秘密があるそうで、常人より長さがあるため、物理的にもペダルの駆動力が強くなるのだそうです。

なるほど、これだけ読んでみるだけでもアームストロングは身体的に恵まれた特徴があったのが判りますね。もちろんこれは生まれつきである他にも、長年のトレーニングによって培われた要素が多いと思います。なにはともあれ、色々な意味で超人ですね、彼は。

このツール・ド・フランス終了後には引退を明言しているアームストロング。でもこれだけ驚異的なアスリートはめったにいませんから、もうちょっとその活躍を見続けたい気もしますねぇ……。残念。

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