ブラジルで大量のシリコン・バストが盗まれる。

2005/07/14 11:50 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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日本から遠く離れたブラジル。この国で成長率が年30%もある、とある「産業」をご存知ですか?これ、なんと美容整形なのです。ちょっと古い統計ですが、1999年にブラジル国内で美容整形を受けた人は約30万人。1994年の同様の数字と比べると、なんと10倍ちかい伸びなのだとか。

鼻筋をもっと可愛らしく、お腹の余分な脂肪を取り去りたい、胸をもっと豊かに……。これら日本でもお馴染み整形手術の他に、ブラジルではなんと豊胸ならぬ豊「尻」手術も人気なのだとか。大きいお尻はそれだけセクシーってことなんでしょうか。意外ですねぇ。

さらに年配の男性が「若返り」を目指して美容外科のお世話になることも多くなってきたそうです。16歳以下のティーンがまだ未熟な体にメスを入れることも珍しくなく、本当に老若男女問わず、整形手術には抵抗がないお国柄のようです。そういえば数年前ミス・ユニバースのブラジル地区代表に選ばれた女性は、隠すことなく自分の美容整形のことを語っていたそう。人工の美しさでもコンテストの代表に選ばれるなんて、日本ではまずありえない話ですねぇ。

ところでブラジルでは今の時期、特に7月辺りが美容整形手術のピークなんだとか。南半球では冬に当たるこの季節、冬の休暇を利用して体の改造を済ませて、次の水着シーズンに備えるのだそうです。そんな中「シリメッド」という同国のシリコン・バスト製造社も、この季節の大量需要に対応するためにフル回転で営業中でした。つい先日も400個余りのバストを積んだ郵便トラックが、リオ・デ・ジャネイロ市内を忙しく走っていたそうです。

で、そこに突如現れたのが盗賊グループ。なんとトラックごとシリコン・バストを奪い取ってしまったのだとか。そんなもの盗んでどうするんだ?と不思議に思いますよね。もしかしたら中身が何かわからず適当に狙いを定めてトラックを襲ったのかもしれません。でも偶然だったとしても、窃盗団にはとてもラッキーだったに違いない。なぜなら、なんとこの「偽」バストは単価が400米ドル、日本円にして約45,000円もするんだそうです。それが400個があったのですからかなりの稼ぎ。まぁお暇な方は計算してみて下さい(笑)。

個々に製造番号が付けられたこのシリコン・バスト。今後は恐らくブラック・マーケットにて取引され、違法な外科医師の手に渡るだろうとのこと。合法な医師免許を持たない医師による手術はもちろんリスクが伴います。それでも彼らを頼る人々が絶たないブラジル。今回の窃盗事件も、この国の現状を考えれば起こるべきして起こった事件といえるのではないでしょうか。

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