横浜、「セ・リーグもプレーオフ導入」を提案。

2005/07/06 09:18 Written by コジマ

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近年のプロ野球改革の一つとして、セ・パ交流戦とともに成功を収めたパ・リーグのプレーオフ。その成功をみて、プレーオフに否定的だったセ・リーグでも導入を検討すべきだとする提案が、4日に行われたセ・リーグ理事会で横浜ベイスターズからなされ、プロ野球の諸問題を中長期的に検討するワーキンググループ(作業部会)がセ・パ6球団による拡大プレーオフを検討しているそうなのだ。

横浜の提案は、セ・パ両リーグとも前後期制とし、前後期それぞれの覇者と、それ以外のチームの中から通年最高勝率のチームがワイルドカードとして出場。3チームでリーグチャンピオンシップを行い最終的にリーグ王者同士が日本シリーズで対決する、というもの。1973年から82年までパ・リーグで導入されていた前後期制を採用しようというのだ。

中日スポーツの記事によると、横浜の山中正竹球団専務は「営業サイドから『プレーオフを考えてみたら』と意見があり、社内的に検討した。その結果、ファンは喜び、また複数の球団に優勝のチャンスが出るなど、盛り上がった運営ができるではないかと提案するに至った」と説明。セ・リーグ各球団の反応もおおむね良好で、ヤクルトや広島が前向きに検討するとし、渡辺恒夫球団会長がパ・リーグのプレーオフ導入を頭ごなしに否定してきた巨人も、清武英利球団代表が「同じことをやっていたらじり貧になるというのは共通認識。プレーオフかどうかは言えないが、新しいものを提供していきたい」と前向きなコメントをしているのだ。

ただ、阪神の牧田俊洋球団社長は、サンケイスポーツの記事によると「1つのアイデアとして受け止めている。すぐに実施できるものではなく、タイガースとしては、まだ検討する段階にない」と否定的。パ・リーグのプレーオフについても、「本当に成功したかどうかの検証はなされていないと思う」と慎重な姿勢なのだ。

まあ、観客動員や収入面などで成功したかどうかの正確な数字は出ていないけれど、シーズン終盤までパ・リーグが盛り上がったのは事実。検討する価値はあると思うのだ。全球団の平等な収入機会である公式戦が減るとの意見もあるけれど、プロ野球全体がレベニューシェアリング(歳入分配)*を導入すれば、ある程度は解消できるのではないかと。ドラフトの完全ウェーバー制*やサラリーキャップ*、贅沢税(ラグジュアリータックス)*ともども導入の検討が必要なのだ。

5日現在で2位に6.5ゲーム差をつけて首位を独走中のわが阪神タイガース。こんなすばらしいシーズンでもプレーオフ導入に賛成できるのは、2003年に優勝したという余裕から生まれるものなのか。セ・リーグの他球団ファンのみなさんの意見はどうですか?


*レベニューシェアリング(歳入分配)
本拠地やその都市の市場の規模による不公平さを解消するために、地方で各球団が得たグッズなどの売り上げを各球団に分配する制度。大リーグ(MLB)では、各球団の総売り上げからスタジアム修理費などの諸経費を引き、そのうちの34%がリーグに戻され、各球団に分配される。

*完全ウェーバー制ドラフト
前季の最下位から順番にドラフト交渉権を獲得していく制度。米4大スポーツ(MLB、NBA、NFL、NHL)すべてが取り入れている。自由獲得枠や逆指名、くじ引きなどがなくなり、この順位が絶対的なものとなる。成績の下位球団が優先的に戦力補強できるメリットがある半面、日本の場合、“最下位争い”が起こるというデメリットも。

*サラリーキャップ
各チームの総年俸の上限を決める制度。米4大スポーツでMLB以外が採用している。「最も戦力が均等」といわれているNFLでは、リーグの総収入の63%を32チームで割ったものが上限額としている。

*贅沢税(ラグジュアリータックス)
年俸総額が基準を超えたチームが罰金を徴収される制度。MLBでは基準額は総年俸の5番目と6番目のチームの中間点をもとに決定される。今季はニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスが対象となった。

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