Narinari.com読者がオススメするマンガ作品(第9回)。

2005/06/29 15:24 Written by コ○助

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前回ご紹介した「ツルモク独身寮」は、若い世代の人たちには新鮮だったようで、なかなか好意的な反応をいただいています。実際に読んでみて「10年以上も前のマンガとは思えない素晴らしい作品でした」(ミミさん)、「ギャグに終始するわけでもなく、シリアスになることもなく、バランスの良いマンガだと感じました」(ジュールさん)などの感想を送っていただきました。昔のマンガほど、手を出すきっかけが掴めないので、「Narinari.com読者がオススメするマンガ作品」がきっかけになったのであれば何より。これからも新旧織り交ぜながら紹介していきますよ!(文・編集 Narinari.com編集部)

漆原友紀 「蟲師」
「『蟲師』は、凄いお勧めです! 獣でもなく、化け物でもない、蟲と呼ばれる奇妙な生き物と人間との間の仲介者である、蟲師『ギンコ』の、とても不思議な感覚の漫画です。古きよき時代ですよ!(笑)」(キエさん)
「私がオススメするのは、アフタヌーンに隔月連載中の漆原友紀『蟲師』です。雰囲気は日本昔話に少々ファンタジーの要素を加えたような感じです。目には見えない、でもそこらじゅうにいる『蟲』という存在を通して、それを取り巻く人間の姿を描いています。決して派手ではないしハラハラドキドキ感もありませんが、ゆったりと流れる独特な、そして少々残酷な話はとても心に響くものがあります。表紙買いしたのですが、見事にほれ込んでしまいました。これほど色々と考えさせられて、何度も読み込んで深く考えられる漫画は滅多にないと思います」(まきさん)

「アフタヌーンシーズン増刊」(講談社)での連載開始当初から、淡々と進むストーリーと「蟲」の描写、全体の世界観に共感する人が続出。多くのファンから熱い支持を受けている作品です。「アフタヌーンシーズン増刊」の廃刊に伴い、現在は「月刊アフタヌーン」(同)に隔月で連載中。もともと「蟲師」は、アフタヌーン四季賞 冬のコンテストで大賞を受賞した作品で、平成15年(2003年)度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞も受賞しています。今年の秋にはアニメ化も決定しているようなので、注目度が高まる前の今のうちに、ぜひチェックしてみてください。

浦沢直樹 「パイナップルARMY」
「私のオススメ漫画は浦沢直樹の『パイナップルARMY』です。当時中学生だった頃にこれを読んで衝撃を受けました。『MASTERキートン』『MONSTER』など、ビックコミックオリジナルでの浦沢作品の原点だと思います」(すけさん)
「パイナップルARMYは僕のバイブルです。このマンガに出会ったことで、『生きる』ことを考えさせられました」(bashさん)

「PLUTO(プルートウ)」「MASTERキートン」「MONSTER」「YAWARA!」などの浦沢直樹作品を読んだことがあっても、意外と「読んだことが無い」という人が多い「パイナップルARMY」。でも、もし最初に出会った浦沢直樹作品が「パイナップルARMY」ならば、ひょっとするとその後の作品で感動を覚えるには至らなかったかもしれません。それほど「パイナップルARMY」は中身の濃い作品。「MASTERキートン」の原型が詰まった作品と言えます。主人公は元傭兵で民間軍事会社で戦闘インストラクターを務めるジェド・豪士。その設定から分かるように、基本的にはミリタリーモノですが、戦後のイラクで民間軍事会社がクローズアップされている今こそ、興味深く読むことができる作品と言えるでしょう。傭兵という日本人にはなじみの無い世界が、丁寧に描かれています。そして涙無くしては読むことができません。

さいとうたかを 「サバイバル」
「さいとうたかをの『サバイバル』 内容はまぁタイトル通りです」(やまたいさん)
「僕も『サバイバル』好きですよ〜。今後の為に読んでおきたい1冊です」(がうがうさん)
「『サバイバル』がすごく良いです。地震の発生が囁かれる今こそ読んでおくべきだと思います」(みっちゃんさん)

「ゴルゴ13」でおなじみのさいとうたかをが描く「サバイバル」。最近はコンビニでも販売されているので、手にした人も多いかもしれません。1976年から1978年にかけて「少年サンデー」(小学館)に連載されていた、30年近く前の作品ですが、常に地震の脅威に晒されている現代の日本にも通じるものがあります。具体的にはタイトルから連想できるように、突如として過酷な環境下に置かれた際に、どのように生き抜いて行くかを指南してくれる。そんな作品です。

コウノコウジ(画)・木内一雅(作)「アウト・ロー」
「現在ヤンマガで連載されてる『アウトロー』もお薦めです! 元ヤクザの男が少年野球チームの監督をして、日本一をめざすとゆー内容です! 野球好きの人には是非!!」(りょうさん)
2003年から「ヤングマガジン」(講談社)に連載されている野球マンガ「アウト・ロー」。数ある高校野球やプロ野球マンガではなく、少年野球を題材にしている珍しい作品です。しかも、スポーツマンガでありながら、ヤクザマンガでもあるという、一風変わった構成。ストーリーは六本木一のキレモノと言われたヤクザが、ひょんなことから組長の孫が所属している少年野球チームの監督となり、日本一を目指すというもの。キャラクターが丁寧に描かれており、ストーリーのテンポも心地良いので、どんどん引き込まれて行くこと間違いなしです。

七瀬あゆむ 「君だけをみつめてる」
「オススメのマンガは、七瀬あゆむさんの『君だけをみつめてる』です。映画監督を目指す大学生香取志郎を中心とした、切なさのあるコテコテ恋愛マンガです。少しエッチな描写もありますが、夢を追う気持ち・相手を想うピュアな気持ちを思い出させてくれます。正直言って一番好きなマンガというわけではないのですが、たまに読みたくなってしまう作品です。また、登場人物の名前が有名人をもじってあったり、一話一話のタイトルが有名曲のタイトルだったりして、安易ですが楽しめます」(しいやさん)
1995年から「ヤングジャンプ」(集英社)に連載されていた恋愛マンガ。主人公は芸術学部映画学科に通う大学生・香取志郎。映画制作やサークル活動などを通して恋愛や友情を織りなしていくという、王道青春恋愛モノでもあります。絵のタッチが少女マンがチックですが、そこは「ヤングジャンプ」連載作品。男性が十二分に楽しめる内容となっています。もちろん、女性も。読み終わったあとには、しばらく余韻に浸っていたい気分になる、そんな独特な空気を持った作品です。

(つづく)

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