1985年に2都市2公演で開催された伝説のチャリティー・コンサート「Live Aid」。飢餓で苦しむエチオピアを救うために多くのミュージシャンが参加し数百万ドルの募金を集めた同イベントが、20年の時を経て「Live 8」として復活。7月2日に日本を含む9都市で9公演が10時間かけて行われる予定なのだけれど、抽選で1万人が招待される日本公演「ライブ8ジャパン」のチケット応募締め切りが、あと1日にせまってきたのだ。

「Live Aid」は、U2と同じアイルランド出身のミュージシャン、ボブ・ゲルドフが発起人となって、1985年7月に英ロンドンのウェンブリー・アリーナと米フィラデルフィアのJFKスタジアムで同時に開催されたチャリティー・コンサートなのだ。クイーン、エリック・クラプトン、U2、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ボブ・ディラン、フィル・コリンズ、ビーチ・ボーイズ、デヴィッド・ボウイ、ザ・フー、エルヴィス・コステロ、マドンナ……と、どこではしょりゃいいのか分からないくらい、有名なミュージシャンたちがノーギャラで出演したのだけれど、今回の「Live 8」の参加メンバーもすごいのだ。各会場の出演者をちょっと挙げてみると、

【ロンドン公演】（＠ハイドパーク）
ポール・マッカートニー、U2、マライア・キャリー、コールドプレイ、マドンナ、エルトン・ジョン、スティング、アニー・レノックス、ダイド、キーン、ミューズ、シザー・シスターズ、ジョス・ストーン、ステレオフォニックス、ロビー・ウィリアムズ、R.E.M.、スヌープ・ドッグ、レイザーライト、ヴェルヴェット・リボルバー、ザ・キラーズ、ザ・キュアー、スノー・パトロール、ボブ・ゲルドフ、ピンク・フロイドなど

【フィラデルフィア公演】（＠フィラデルフィア美術館）
ウィル・スミス（司会）、ボン・ジョヴィ、リンキン・パーク、デイヴ・マシューズ・バンド、スティーヴィー・ワンダー、マルーン5、ジェイ・Z、サラ・マクラクラン、ロブ・トーマス、キース・アーバン、カイザー・チーフス、P・ディディ、デスティニーズ・チャイルドなど

【ベルリン公演】（＠ブランデンブルク門）
グリーン・デイ、クロスビー・スティルズ＆ナッシュ、ローリン・ヒル、A-HA、ディ・トーテン・ホーゼン、ブライアン・ウィルソン（ビーチ・ボーイズ）など

【パリ公演】（＠エッフェル塔）
ジャミロクワイ、プラシーボ、クレイグ・デイヴィッド、アンドレア・ボッチェリ、ジョニー・アリディ、マヌー・チャオ、ユッスー・ンドゥール、ヤニック・ノアなど

【ローマ公演】（＠大円形競技場）
デュラン・デュラン、フェイス・ヒル、ティム・マッグロウなど

【トロント公演】（＠パーク・プレイス）
モトリー・クルー、ディープ・パープル、ベアネイキッド・レディース、ゴードン・ライトフット、ブライアン・アダムス、セリーヌ・ディオンなど

【東京公演】（＠幕張メッセ）
ビョーク、デフテック、Do As Infinity、DREAMS COME TRUE、グッド・シャーロット、マクフライ、RIZEなど

【ヨハネスブルグ公演】（＠メアリー・フィッツジェラルド広場）
4Peace Ensemble、Jabu Khanyile and Bayete、Lindiwe、Lucky Dube、Mahotella Queens、Malaika、Orchestre Baobab、Oumou Sengare、Zolaなど

【モスクワ公演】（＠赤の広場）
Bravo、B-2、Moral Code X、Spleen、Valery Sutkinなど

（一部欧文ママで失礼なのだ……）

うおお、すごい、すごすぎる！！　すごすぎてヨダレが出そうなのだ。これはロンドン公演に1週間で200万件もの応募が殺到し、「世界最大のテキスト・メッセージ抽選」としてギネスブックに記録されたのもうなずけるのだ。ほかにも、ポルトガルで公演中のクイーンが、衛星放送によりどこかの会場にスクリーンで出演する予定だとか。

そして、公式サイトによると「ロンドン公演の模様は世界に向けて放送される。日本からも4曲が世界放送に含まれ、また同コンサートの模様のインターネット配信も行われる。この映像は60カ国、数十億人の目に触れることとなる」とのこと。すばらしい、ホントにすばらしいイベントなのだ。ロンドン公演に出演するコールドプレイは同日にエジンバラで自身のライブの予定があるのだけれど、「Live 8」に早めに出演して、飛行機で直行してこなすそうなのだ。うーん、えらい。また、フィラデルフィア公演にマイケル・ジャクソンが出演するという噂があるのだ。

ただ、「Live 8」には批判も多く、「白人以外が少ない」、「これでは偉大な白人が我々を救済しているかのようだ」、「この問題にずっと取り組んできたアフリカやジャマイカのミュージシャンを取り上げるべき」との黒人団体からの意見や、ブラー／ゴリラーズのフロントマン、デーモン・アルバーンが「バカみたいにアングロ・サクソンだらけ」と言うように、白人以外の出演者が少ないことが指摘されているのだ。これに対して主催者側は、同日に英コーンウォールでンドゥール、サリフ・ケイタ、アンジェリーク・キジョー、トーマス・マプフーモらアフリカのミュージシャンだけを集めた「African Callint」の開催を決定したのだ。いや、それなら同じ会場でやれっつーか……。

また、ラッパーの50セントがドタキャン、ホワイト・ストライプスが参加を拒否、主催者のゲルドルフが「Live 8」での再結成を説得していたスパイス・ガールズにもフラれたそうなのだ。

当日、マンチェスターで自身のライブがあることを理由に参加を拒否したオアシスのノエル・ギャラガーなんて、

「アフリカの運命は、ハイド・パークでクソミュージシャンがガキに向かってクソみてえな曲を歌ってどうにかなるって問題じゃないだろ。だれかが突然、英国中のバンドがクソみてえなプレイしてみんなの注目を集めようなんて決める、そういうやり方はオレは好きじゃねえな。政府のクソリーダーをアフリカに連れていくほうが、もっと効果的だろうよ」

「もし可能だったら、参加するのもいいかもな。ロック・スターがこういう行動を起こすのはよくある。（U2の）ボノと（コールドプレイのクリス・）マーティンはそのためにいるんだろ？」

と、非常に辛口のコメントをしているのだ。

ちなみに「Live 8」は、7月6日に開催されるG8首脳会議に合わせて行われ、アフリカ救済を訴えるという趣旨があるのだ。そして、G8首脳に向けてチケット応募者のメッセージ（申し込み時に書き込める）も届けてくれるのだ。

日本ではCS放送フジテレビ721にて同時衛星生中継され、後日フジテレビにて2時間ダイジェストとして放送を予定しているそうだけど、この際、募金して幕張にライブを観にいきたいのだ。

チケットの申し込みは、エキサイトチケットでG8首脳宛のメッセージや個人情報などを入力し、送られてきた電子メールのアドレスにアクセス。会員登録を終了すると、今度は振り込み先が記されているメールが送られてくるので、その口座に寄付金（いくらでもOK）を振り込めば完了。抽選で5000組1万人が招待されるのだ。会員登録が29日12時まで、振り込みは同日15時までなのでお早めに。

ちなみに、「Live 8」を後援している「ほっとけない 世界の貧しさ」。世界7か国のNGO行っている貧困救済キャンペーンなのだけれど、同キャンペーンへの参加意思を表すホワイト・バンドの販売を7月2日から開始するのだ。ブラッド・ピットやデイビッド・ベッカム選手をはじめ、日本でも中村勘三郎や中田英寿選手が身に着けているシリコーン製のリストバンドを、あなたも手に入れてみては？　全国主要書店、タワーレコード（渋谷店、新宿店先行発売）、フランフラン主要店舗にて300円で販売。現在でもインターネットでのオンライン販売で購入できるのだ。

さらに、後援者であるTOKYO FMでは、「ライブ8ジャパン」の運営を手伝うボランティアを募集中。抽選にはずれても会場に入れるチャンスなのだ。