文化の違いが生んだCM放映中止の経緯。

2005/06/27 11:54 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


数日前からすでにいくつかの報道で伝えられている、中国でのマクドナルドのCM放映中止のニュース。すでにご存知の方も多いかと思います。これは米ファストフード大手の同社が中国国内で新しいCMを放映したところ、内容に対して抗議が殺到。あまりにも多く寄せられた苦情にマクドナルドも深刻に対応し、数日後には全土での放映中止を決定しました。同時に謝罪を表す声明も発表したとのこと。

それにしても多くの視聴者が「中国人に対する屈辱だ」と憤慨したこのCM、一体どんな内容だったというのでしょう?

問題とされたコマーシャルは、レコード店にいる男性客が店主にひざまずき、優待期間延長を求めるシーンが含まれていたそうで、直後にナレーションで「マクドナルドの割引券は365日有効です」と入るものだったとか。

しかしコレだけでは一体何が「失礼だった」のかちょっと判りづらいですね。でもこの男性客がひざまずくという行為、これはこの文化ではとても屈辱的なことなんだそうです。なんでも言い伝えでは「中国男性のひざ下には黄金がある」そうで、そのため滅多にこのようなジェスチャーをすることがないのです。それを外資系の企業が中国人俳優にさせていた……、これでは多くの人が気分を害するのも頷けるかなぁと。

ボディー・ランゲージは文化の数だけ意味合いも違ってきます。例えば、中近東では目上の人や、招かれた家の主に靴の裏を見せるのは大変失礼だそうですし、ハワイでの挨拶に使われる「シャカ」と呼ばれる親指と小指を立てるジェスチャーは、オランダでは不吉なモノと受け取られるとか……。日本人だって、外国人がお茶碗のご飯に箸を突き刺したら、慌てますよね。それと一緒じゃないでしょうか。

マクドナルドも故意的ではなかったとはいえ、多くの中国人の心を逆撫でしてしまったということで、今後はCMのコンテンツには特に気をつけることでしょう。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.