コンコルドの後継機、日仏で共同開発へ。

2005/06/15 06:10 Written by コジマ

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コンコルドといえば、マッハ2.04の速さと機首が折れ曲がるという奇抜なデザインで子供の頃のかっちょいい乗り物の1つに挙げられていたのだ。なにせ「超音速旅客機」という冠がなんとも子供心をくすぐり、一度は乗ってみたい夢の飛行機だったのだけれど、速さとデザイン性を追い求めるがゆえに激しい騒音と高燃費で低乗客数という輸送効率を無視したあまりにも時代と合わないコンセプトのため、2003年10月に惜しまれつつ運行を終了したのだ。その英国と開発したコンコルドの後継機を、今度は日本と共同で開発しようということになったそうなのだ。

朝日新聞や毎日新聞に掲載されている次世代超音速旅客機のイメージを見ると、コンコルドと比べてさらにシャープで長い機体。うーん、未来的なのだ。日本は、石川島播磨重工業と川崎重工業、三菱重工業の3社と独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、旅客機向けのマッハ5.5を出せるエンジンを2003年に開発しているのだそうで、フランス側はそのエンジンを含めた日本の高い技術力を狙って、数年前から共同開発の打診をしていたそうなのだ。マッハ5.5って、世界最速の戦闘機MIG-25(マッハ3.4)より速いのだ! そんなのが旅客機に使えるのか? というか、乗ってる人は大丈夫なの?

研究には、日本からは宇宙航空研究開発機構(JAXA)や日本航空機開発協会(JADC)など、フランス側は航空宇宙防衛産業大手のEADS(European Aeronautic Defence and Space Company)や、エンジンメーカーのSAFRANが参加し、日仏が毎年1億円ずつ出して、3年間で超音速に耐える複合材やエンジンなどの開発に取り組むのだとか。

1964年に就航したコンコルドは、開発された時代を反映してか、高騒音、高燃費、低環境性というしろもの。うーん、まさに自動車でいうアメリカン・マッスルカー(笑)。衝撃波の問題で陸地上空の音速飛行を禁止されたり(音速飛行は成層圏でのみ)、騒音のため着陸できる空港が制限されていたり、はたまた高い燃料費と少ない輸送乗客数(定員100人ですべてファーストクラス。そのため、パリ−ロンドン間が片道でなんと約37万円!)のために運航コストがかさみ、他の航空会社は採用しなかったのだ。開発を予定している後継機は、その反省を踏まえて低騒音、低燃費、高環境性を目指し、200〜300人乗りで速度がマッハ2〜2.4のものを想定しているそうなのだ。もし、東京−ニューヨーク間に就航するなら、飛行時間が6時間程度になるのだとか。15時間ほどかかっている現状を考えると、これはとっても楽ちんなのだ。

コンコルドも夢の飛行機だったけど、日本が開発に携わることだし、今度はすべての面で21世紀にふさわしい、本当の夢の飛行機をつくってほしいのだ。

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