NTTドコモ、「フルブラウザ」の商標登録を出願。

2005/06/01 10:11 Written by コ○助

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先に取った、取らないで揉めごとのタネになることが多い商標登録なりが、また物議を醸しそうな商標登録がNTTドコモから出願されたなり。それは昨年来からモバイル関連の話題で頻繁に飛び交っている「フルブラウザ」という単語。NTTドコモのみならず、他社もこれまで一般名詞的に使ってきた「フルブラウザ」という単語が、NTTドコモだけが独占的に使える単語になる可能性が出てきたなりよ。

「フルブラウザ」とは、「携帯電話でパソコン用のホームページを閲覧することができるブラウザ」という意味合いで広く使われている単語なりが、これを特定の一社が商標登録しようというのはちょっと横暴すぎる気もするなり。もちろん、他社が先に出願していなかったのが悪い、という意見は正論かもしれないなりが、感覚的にはここまで一般名詞として普及してきた単語をいきなり商標化することに違和感を感じてしまうのは確かなりよね。また、NTTドコモは「フルブラウザ」の世界では後発で、まだ実際に「フルブラウザ」搭載端末を発売していないことも、横暴に映る理由のひとつかもしれないなり。(※すでにモトローラ製「M1000」とNEC製「N901iS」を発表済みなりが、発売はされていないなり)

日本における「フルブラウザ」の歴史はまだ浅く、国内で初めて「フルブラウザ」搭載端末が発売されたのは昨年5月のこと。DDIポケット(当時)の京セラ製端末「AH-K3001V」に「Opera」が搭載されたのが最初で、その後「NetFront」(ACCESS)、「jigブラウザ」(jig.jp)、「Scope」(プログラマーズファクトリ)が相次ぎ開発され、多くの携帯ユーザーが「フルブラウザ」の恩恵を受けているなり。コ○助も「jigブラウザ」の恩恵を受けている一人なりが、そういえば「jigブラウザ」のことを人に話す際には、商品名の「jigブラウザ」ではなく、自然と「フルブラウザ」と言っている自分が居ることに気が付いたなりよ。それくらい、もう一般名詞として浸透している単語なりよねぇ。

「フルブラウザ」に対するキャリアの動きとしては、auが「Opera」を「PCサイトビューアー」として、すでにカシオ計算機製の「W21CA」と「W21CAII」に搭載して市場に投入しているなり。パケット定額制にもいち早く対応させるなど、主要3キャリアの中では最も「フルブラウザ」に対する取り組みに熱心なりよ。対してNTTドコモは先日ようやくフルブラウザ対応端末を発表したばかり。「フルブラウザ」の世界はDDIポケット(現ウィルコム)が先陣を切り、すぐ後ろにauが続き、さらに近々端末を投入予定のNTTドコモが加わるといった図式となっているなりね。なので、「フルブラウザ」という単語を作ったわけでも、単語の普及に一役買っているわけでもないNTTドコモが商標登録の出願をするというのも、おかしな話なりよ。いや、もちろん制度的にはおかしくも何ともないのは分かっているなりが、なにか釈然としないものが……。

出願された商標は今後6か月ほどの時間をかけて審査されるようなりが、「『自己の商品役務と他人の商品役務とを識別することができないもの』または『公益上の理由や私益保護の見地から商標登録を受けることができないもの』については拒否される」(CNETより)ようなので、まだNTTドコモが独占的に「フルブラウザ」を使えるというわけでは無さそう。他社からの異議が噴出した場合には、登録を却下される可能性がまだ残されているようなので、今後しばらくは「フルブラウザ」の名称を巡る争いから目を離すことができなそうなりね。

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