江戸時代の味? 日本で最古のビールを復元へ。

2005/05/22 12:24 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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うーん、そろそろ夏になってビールの美味しい季節になりますねぇ。ウォール真木も野球の試合に行き、球場でグビグビとやる冷えたビールが好きだったりしますが、それが陽射しの強い炎天下であればあるほど美味しく感じます。

ところでビールはワインと並んで、人類が最初に製造したお酒だと言われています。定説ではワインは紀元前6000年ごろ、ビールは紀元前3500年から3000年ごろに、それぞれメソポタミア地方で作られ始めました。ただ一説によると、ビールは紀元前7000年ごろから作られていたそうで、そうなるとビールが人類最古のアルコール飲料として飲まれていたことになります。

その当時、現在のイラクにあたるこの地方ではすでに運河や神殿などが建設されていました。都市が作られていた証拠ですね。ここでは人々は小麦や大麦を栽培するなどして生活をしていたとされます。そしてこれら穀物から酒を作り出す知識を、当時の人々が知っていたのも不思議ではないのです。

穀物はそのままでは発酵出来ませんが、発芽したものを乾燥させるとデンプンを分解する酵素が出来ます。これに水分を加えると、発酵作用でアルコール分が出来るのですが、これがいわゆるビールの祖先だと考えられています。例えば収穫した穀物がなんらかの偶然で湿って発芽してしまったとしましょう。それを勿体ないからと乾燥させて保管しておき、おかゆを作ったとしたら。さらにそのおかゆを数日間そのまま放置していたとしたら……。これだけで原始的ビールが出来上がってしまうのです。穀物の栽培と、ビール作りはほぼ同時に始まったと唱える学者が多いのも頷けますねぇ。

さてさて。メソポタミア文明は遠い昔ですが、日本の地で初めてビールが作られたのは江戸時代と比較的最近のことです。文化9年(1812年)ごろに長崎でオランダ商館長であったヘンドリック・ドゥーフという人が、自家製の麦酒を作ったのが始まりだといわれています。この40年後には、今度はとある蘭学者が日本人として初めてビールを作ったという記憶も残っているそうで、なるほど日本のビール歴史はこの頃に始まったんですねー。

そしてこの度、これら「日本初」ビールをこの度キリンが復元することになり、今秋には登場することに。おお、なんだか面白い企画じゃありませんか。残念ながら市販はされないそうですが、全国の試飲会で提供することになっているそうです。

ただしドゥーフ氏の作ったビールですが、彼の残した日記によると苦味の大切な成分「ホップ」が入っていなかったため、イマイチの味だったそうです……。

まあ、でも話のネタには味わってみたいと思いませんか?

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