イギリスで「謎のピアニスト」が話題に。

2005/05/18 03:45 Written by コジマ

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荒天の海岸で、傘も差さずにタキシード姿で歩いていた男性は記憶喪失、沈黙を守り続けているがピアノの腕はプロ級だった―。そんな映画や少女漫画のようにロマンチックな話が英国から飛び込んで来たのだ。

男性は20〜30歳代、身長約180センチで朝日新聞の記事に掲載されている写真を見る限り、気弱そうに見えるけど細身でかなりのイケメンなのだ。約1か月前の先月7日に、英国はロンドンの南東、テムズ川の河口があるケント州シアネスの海岸をずぶ濡れでさまよっていたそうで、保護したものの、ショック状態で記憶がなくおびえた様子で現在も口を閉ざしているそうなのだ。

ちなみに、このシアネスというところは、1912年にドイツのツェッペリン型とみられる飛行船が飛来し、このことが英国下院の査問にまで発展、当時海軍大臣だったのちの首相、ウィンストン・チャーチルが詰め寄られるなどがあった「シアネス事件」、最近では第二次大戦時に不発弾13,700発を積んだまま座礁した米輸送船の撤去問題で話題になったのだ。

入院先の病院で医師が何か手がかりを得ようと紙と鉛筆を渡したところ、精巧なグランドピアノとスウェーデン国旗の絵を描いたので、ピアノのある礼拝堂へ案内してピアノの前に座らせると急にリラックスした様子になり、チャイコフスキーの「白鳥の湖」や自作と思われる曲を2時間以上にわたって演奏したというから、とってもロマンチックなのだ。

ところが、この「ピアノマン」と名付けられた男性はおびえて精神が不安定な状態だそうだし、着ていた衣服のラベルは身元がわからないようにすべて切り取られていたというから、ロマンチックな話ではなく、これはミステリの領域に入ってしまうのだ。

英国ではこの男性の身元捜しがメディアを通じて広く行われており、先日、写真を公開したところ欧州全域から160件の問い合わせがあったそうだけど、1か月以上経った現在も有力な手がかりはなし。男性の記憶が戻る気配もないそうなのだ。写真からすると北欧系に見えるので、国旗も描いたことだし、スウェーデン出身の可能性は高いけれど、なぜ、英国に来たのか。そして、どんな事件に巻き込まれたのか。謎は深まるばかりなのだ。

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