映画「スター・ウォーズ エピソード3」がPG-13指定に。

2005/05/06 04:42 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、都内の某シネマコンプレックスに行ったところ、全館で「スター・ウォーズのテーマ」がループで流れたりポスターなどが飾られていたりと、7月の公開に向けて盛り上がってきている様子の「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(以下EP3)。そんなEP3が、以前から噂されている通り、5月から公開される米国で「PG-13」の指定を受けることになったのだ。スター・ウォーズシリーズで同指定を受けるのは初めてのことではあるものの、過去の作品はすべてPG指定されている。

シリーズ最終章であるEP3は、ジェダイの騎士アナキン・スカイウォーカーが悪役のダース・ベイダーに変わっていくという内容から、前5作に比べて過激な暴力シーンが多く、ジョージ・ルーカス監督も「この映画に5、6歳の子どもを連れて行こうとは思わない」と語っているのだ。「PG-13」指定を受けたことについて、同監督は「保護者からたくさんの非難を受けている。多くの人から、どうしてこんなことが出来るのだ、子供たちはこの映画が好きなのに、どうして映画館に行かせないようなことをするのだ、と言われている」とし、「私は物語を伝えなければならない。この映画を大ヒット作にするつもりはない。物語を伝えるために製作しているから」とコメントしているのだ。

さて、そもそも「PG-13」とか「PG」とはなんぞや、ということなのだけれど、これは米国映画協会(MPAA)が定める暴力描写や性描写、差別描写に対する指定区分のひとつで、「13歳未満の青少年には保護者の同伴を推奨する」もの。「推奨する」というだけあって入場を制限するものではないのだ。MPAAの指定区分を列記すると、

 G: 全年齢が鑑賞可
 PG: 子供は親か保護者の同伴を推奨
 PG-13: 13歳未満は保護者の同伴を推奨
 R: 17歳未満は保護者の同伴がなければ入場不可
 NC-17: 17歳未満はすべて入場不可

つまり、R指定以上でなければ入場制限はされないのだけれど、ここで注目すべきは、米国の劇場公開映画はすべてなんらかの指定を受け、その約9割がPG以上だということ。「タイタニック」や「ライフ・イズ・ビューティフル」、「フォレスト・ガンプ/一期一会」などの感動系映画だけでなく、「マスク」、「もののけ姫」、「アダムズ・ファミリー」、「ドクター・ドリトル」なんかのどちらかというと子供向けの映画も「PG-13」の指定を受けているのだ。

子供に“有害”なシーンを見せたくない気持ちはわかるけど、ルーカス監督のコメントにある保護者たちの抗議には、首をかしげずにはいられないのだ。結局は「保護者の判断に任せる」というものだし、同伴すれば推奨条件はクリアできるのだから。ホント、スター・ウォーズシリーズだから抗議するっていう気持ちもわかるのだけれど……。

EP3が7月から公開される日本では、映倫の定める指定区分(1998年制定)があるのだ。

 一般: 全年齢が鑑賞可
 PG-12: 12歳未満(小学生以下)は保護者の同伴を推奨
 R-15(旧称R指定): 15歳未満はすべて入場不可
 R-18(旧称成人映画): 18歳未満はすべて入場不可

ちなみに日本では、同じ映画でも米国の指定区分より1〜2段階下げるのが通例(たとえば、「ファイトクラブ」米国R指定→日本PG-12指定)で、「PG-13」のEP3は「一般」に区分される可能性が高いのだ。でも、あくまで米国の基準では、「13歳未満が鑑賞するのに相応しいとはいえない」シーンが含まれているということをお忘れなく。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.