中学校で武器持ち込み騒ぎ、その真相は?

2005/04/30 11:56 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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1999年のコロラド州はコロンバイン高校で起こった生徒2人による銃乱射事件、そして今年3月にミネソタ州のレッドレークの16歳の男子生徒が9人を射殺して自殺した事件。アメリカでは学校が惨劇の舞台になる悲しい事件が絶えません。

そのため、こちらの学校では安全確保に神経を尖らせ、生徒の私物の持ち込みなどにも厳しくチェックの目を向けています。教科書と一緒に武器なんて気軽に持って来られては、そりゃ大変ですから。実際、空港のセキュリティーの様な機械を学校の入り口に設置している学校もあるそう。

そんな現状の米国で、今回もニュー・メキシコ州であわや傷害事件の騒ぎが起こりました。コロヴィスという町にあるマーシャル中学校でのこと。生徒が武器とおぼしき包みを持って通学するのを目撃した、と通報があり、警察が出動しました。学校の建物を武装警官が取り囲み、安全のために周辺の道路を閉鎖し、それはそれは緊迫した雰囲気に。

ラジオのニュースを聞きつけ駆けつけた保護者が心配そうに見守る中、約2時間経ってからやっと厳戒態勢が解除。何も疑わしいものが見つからないとして、やっとそれまで学校内に留まるように指示されていた生徒たちも解放されました。しかし、それでも「武器」と思われるモノの正体は判らず、学校側も警察も困惑。

とりあえず講堂に生徒や保護者を集め、校長のダイアナ・ラッセルさんが判る範囲で説明会を開きました。その途中、1人の生徒が名乗り出たのです。

「あのー、その目撃された生徒って僕だと思うんですが……」

あわや、襲撃をもくろんでいた少年が自首か?と思われるような展開に驚く関係者。しかし事態は思わぬ結末を迎えます。なんとその「武器」は、彼が授業で発表するために作った巨大なブリトー。

授業でコマーシャルを作るという課題があり、その対象となる商品を考えていたマイケル君。ジョークとしてとてつもない大きなブリトーにすることを思いついたのです。それを自ら作成し、嬉々として小脇に抱えて学校までやって来たのでした。それが大きさからして、形からして怪しいと思われてしまったのでしょう。結果として、今回の大騒ぎに……。

その問題のブリトーをマイケル君から提出され、緊張から開放された警察官は思わず爆笑。マイケル君におとがめはもちろんナシ。なんとなく良いオチではありますが、ほんとお騒がせのブリトーでしたねぇ。

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